首都圏LRT、試験運行でトラブルも8月18日の正式開業へ

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年07月24日

インドネシアの首都ジャカルタと周辺都市(ボゴール、デポック、ブカシ)を結ぶ軽量高架鉄道、LRT(Light Rail Transit)ジャボデタベックの試験運行について、運輸省のリサル・ワサル鉄道総局長は7月17日、ソフトウエアシステムなどいくつかの点で改善作業が必要として、試乗を一時的に停止させることを明らかにした(「アンタラ」7月17日)。LRTの試乗は、2023年7月12日に開始していた。同月25日から政府関係者やメディア向けの試乗を再開し、一般市民の試乗は29日以降に延期する。正式開業は独立記念日の翌日となる8月18日を予定している。

試験運行が開始されたのは、中央ジャカルタのドゥクアタス駅~西ジャワ州デポック市のハルジャムクティ駅を結ぶ「チブブール線」(全長24.3キロ)、ドゥクアタス駅―西ジャワ州ブカシ県のジャティムルヤ駅を結ぶ「ブカシ線」(全長27.3キロ)の計18駅の2路線。

また、LRTプロジェクトに関しては、2019年12月から東ジャカルタの5.8キロ、全6駅の区間を結ぶLRTジャカルタ(2019年12月27日記事参照)が運行を開始していた。

運輸省のデータによると、使用される車両は、国営鉄道車両製造会社のインダストリ・クレタ・アピ(INKA)が開発した6両連結の計31編成(計186両)。座席は1編成当たり174席で、最大1,308人が乗車できる設計で、正式開業後は1日当たり434本が運行される予定。運行時、車両は自動運転となり、鉄道の自動運転レベルを示すGoAは「3」(添乗員付き自動運転)の技術が採用される。複数の地元紙が伝えた。

LRTジャボデタベックはジャカルタと東部の工業地帯を結ぶチカンベック高速道路、ジャカルタとボゴールを結ぶジャゴラウィ高速道路に沿うかたちで敷設されており、同区間の渋滞緩和を目的の1つとしているが、7月12日に行われた試験運行の開始式典において、ブディ・カリヤ・スマディ運輸相は「開業後、少なくとも14万人近くが自家用車での移動からLRTジャボデタベックでの移動に切り替えると予測している」と述べ、ジャカルタの交通渋滞緩和への期待を示していた(「コンパス」7月13日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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