米シカゴで食品原料と食品技術の展示会IFT開催、植物性代替品が定着

(米国、日本)

シカゴ発

2023年07月25日

米国イリノイ州シカゴに本部を置くIFTInstitute of Food Technologists)は71619日、食品原料・技術の見本市「IFT FIRST外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開催した。同見本市は毎年行われ、食品原料や食品加工技術に関する展示やイベントが多く見られる。今回は国外からの出展企業を含めて850社超が出展した。食品関連スタートアップによる展示も行われ、約100社が画期的な食品技術を披露した。

見本市では、香辛料やうま味(MSG)などの調味料、ひよこ豆や小麦などから作った植物性タンパク質、着色料や甘味料などの食品添加物、オーガニック食品などの原料を製造・販売する企業のほか、食品加工機械、食品衛生に関する検査機械などのメーカーが実演や試食品を提供した。食品添加物・着色料・甘味料では、植物由来の出展が多くみられた。特に、野菜や花などの植物から製造し、加熱しても鮮やかな色を保つ着色料の展示が多く、鮮やかな着色料を使用したデザートとカラフルさを前面に出したブースが目立った。

写真 多くの企業が自社原料を使った試食品を提供し、会場をにぎわせた(ジェトロ撮影)

多くの企業が自社原料を使った試食品を提供し、会場をにぎわせた(ジェトロ撮影)

写真 着色料メーカーのカラフルな展示ブースが目立った(ジェトロ撮影)

着色料メーカーのカラフルな展示ブースが目立った(ジェトロ撮影)

また、植物性のタンパク質を使用した代替肉や代替シーフード、代替乳製品の展示ブースも多かった。これらの代替品の原料を扱う企業の関係者からは「代替肉のブームは落ち着いたものの、食生活の中で動物性タンパク質と置き換わった植物性代替品が定着する傾向が見られ、今後も一定の需要が見込まれるだろう」との声が聞かれた。食品加工機械メーカーの関係者は「植物性タンパク質の製造に使用する機械の需要は引き続き伸びている」「大豆やトウモロコシなどの生産が盛んな中西部の市場は大きい」と話していた。

日本企業も、抹茶やしょうゆなど原料や調味料などを扱う企業が複数出展した。自社製品を使用した抹茶ラテや、マカロニにホワイトソースとチーズを絡めたマックアンドチーズのような米国消費者の嗜好(しこう)に合わせた試食品を提供し、来場者の関心を集めた。

(星野香織)

(米国、日本)

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