外国人幹部向け就労査証申請、9月から学歴証明の第三者認証を義務化
(シンガポール)
シンガポール発
2023年07月07日
シンガポール人材省(MOM)は9月1日から、外国人幹部・専門職向けの就労査証「エンプロイメント・パス(EP)」の新審査ポイントシステム「補完的評価フレームワーク(COMPASS)」を導入するのに伴い、申請者の学歴証明書の第三者認証を義務付ける。同省は6月30日、学歴証明書を認証する認定12社の企業名を発表した。
COMPASSは、EP申請者の(1)固定給与、(2)学歴、(3)申請企業の幹部・専門職の国籍の多様性、(4)地元の雇用創出への貢献など、について申請者を審査。それぞれの項目のポイントの合計点でビザ発給の有無を審査するというもの(2023年4月4日記事参照)。EP申請者の学歴については現行、雇用主がその学歴の真偽を保証する義務を負っている。9月1日からはディプロマ(準学士)以上の学歴証明書について、(1)MOM認定の学歴認証会社、(2)申請者の本国の政府または教育機関の認証サイト、(3)シンガポール政府テクノロジー庁(Govtech)開発の認証サイト「オープンサート」(注1)、のいずれかで認証する必要がある。
MOMが今回、認定したのは、アバンズ・インターナショナル・バックグランド・チェックやデータフロー、ファースト・アドバンテージなどの12社(注2)。このうち、日本の教育機関の証明書を専門に認定するのは、日系コンサル会社グローバル・パートナーズ・コンサルティング(GPC)の子会社GPCゲートウェイの1社。認証費用は1件当たり30~60シンガポール・ドル(約3,180~6,360円、Sドル、1Sドル=約106円)。認証には1~2週間かかる。MOMは、認定会社については定期的に見直すとしている。
なお、既存のEP保持者について、COMPASSの申請を経てない保持者の場合は、2024年9月1日以降の更新手続きの際に、第三者認証が義務付けられる。第三者認証を1回受ければ、次回の更新の際には認証を必要としない。
(注1)オープンサート(Opencert)で認証できる教育機関は現行、シンガポールの公立高等専門学校、公立大学が中心。
(注2)学歴証明の認定会社12社や、その他証明に関する詳細は人材省のサイト参照。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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