イタリアの航空宇宙・防衛大手、ヘリコプター部門で日本でのプレゼンス強化

(イタリア、日本)

ミラノ発

2023年07月03日

イタリアの航空宇宙・防衛大手レオナルドは6月20日、第54回パリ航空ショーで、川崎重工とMCH-101型ヘリコプターの追加契約と同機種の日本でのアップグレードプログラムの開始について契約締結したことを発表した。

MCH-101は、イタリアと英国の共同開発のレオナルド製AW-101型ヘリコプターを原型として、川崎重工がライセンス生産したヘリコプターで、日本の海上自衛隊で使用されている。また、丸紅エアロスペースが日本での代理店として、運用や生産を支援している。

レオナルドは6月20日付のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、今回の契約締結は2022年に発注されたヘリコプターの受注に続くもので、レオナルド、川崎重工、丸紅エアロスペースのヘリコプター市場や日本でのAW-101プログラムにおける20年間の協業を記念するものとした。アップグレードプログラムを通じて、MCH-101型ヘリコプターの一部に、新型ヘリコプターと同等の最新鋭の装備をすることで、操縦者の任務効率を高める。

レオナルド・ヘリコプターのジャン・ピエロ・クチッロ常務取締役は「川崎重工と丸紅エアロスペースとの協力関係を誇りに思う。AW-101が日本の防衛に果たす重要な役割と、世界の全ての操縦者に並外れた能力を証明するものだ」と述べた。

また、レオナルドはパリ航空ショーで同日、日本での代理店の三井物産エアロスペースとともに、AW-169型ヘリコプター2機の新規受注を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2機のうち1機は地方自治体の消防局に配置され、もう1機は新たな市場機会へ投じる。今回の受注により、日本でのAW-169の保有機数は8機となる。

レオナルドは2023年3月に、三井物産エアロスペースと、日本の救急医療や災害救助などに使われているAW-139ヘリコプター6機の追加契約をしたと発表しており、日本でのプレゼンスをさらに強化している。

レオナルドの2022年の年次報告書によると、ヘリコプター部門の売上高は、同社の売上高全体の31%(46億ユーロ)で前年比9.5%増。2018~2022年の実績報告書によると、150カ国で4,550機の同社製ヘリコプターが運用されている。

イタリアから日本へのヘリコプターの輸入額は2022年に約109億円で、前年比約81.4%増となった(添付資料図参照)。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年と比較すると、約4倍で、輸入額が近年拡大している。

(山本千菜美)

(イタリア、日本)

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