ジェトロ、西アフリカ市場に関するウェビナー開催

(ガーナ、コートジボワール、ナイジェリア、日本)

海外展開支援部フロンティア開拓課

2023年07月03日

ジェトロは、6月20日の北アフリカ編(2023年6月27日記事参照)につづき、6月27日にオンラインウェビナー「現地進出企業が見るアフリカ市場 第2回:西アフリカ編」を開催した。約220人が参加した。

同ウェビナーでは、現地進出日系企業へのインタビューを中心に、西アフリカ市場の課題や魅力などを紹介した。

ナイジェリアについては、石油・ガス産業向けにプロセス制御システムを展開する横河電機の長谷川剛氏が登壇し、アフリカ最大の人口や経済規模、豊富な石油や天然ガスの埋蔵量を誇る可能性を解説した。エボラ出血熱の流行や現地政府の政策、手続きの不明確さに苦戦しながらも、現地政府の方針にのっとり、オペレーションの現地化や人材育成にも柔軟に対応したエピソードを紹介した。

カネカアフリカ駐在員事務所の瀬古裕氏は、ガーナの魅力について、西アフリカで数少ない英語圏、加えて、治安がよいことと語った。一方、課題や難しさとして、政府による徴税強化やインフレ加速、韓国や中国メーカーの参入による価格競争の厳しさなどを挙げた。同社の頭髪商品「カネカロン」のプロモーション活動では、従来の展示会やオフラインイベントのみならず、現地の若手女性メンバーが考案したSNS活用術にも言及した。

続くパネルディスカッションに登壇したジェトロ・アビジャン事務所の水野大輔所長は、ナイジェリアやガーナに比べて進出日系企業数が少ないコートジボワールは、フランス語の壁ゆえに情報が少なく、関心が喚起されにくい点を指摘した。一方で、西アフリカの中でも政治や治安、通貨が安定し、中間層が拡大する点を市場の魅力として挙げた。また、昨今のデジタルトランスフォーメーション(DX)化にも触れ、決済アプリ上で配車サービスや家賃支払いなどにモバイルマネー利用が可能なことを紹介した。同様に、ナイジェリアやガーナでもスマートロッカーやフードデリバリーの普及が見られるなど、キャッシュレスやEコマースの普及スピードが早まりつつあることがわかった。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

ウェビナー参加者からは、「現地進出企業の本音、実情を聞き、非常に参考になった」「今後はアフリカも選択肢の1つということが知れたのは収穫だった」などの声があった。

(数実奈々)

(ガーナ、コートジボワール、ナイジェリア、日本)

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