米カリフォルニア州知事、全米初の州を挙げての猛暑対策キャンペーンを開始

(米国)

サンフランシスコ発

2023年07月13日

米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)は7月11日、気候変動による異常気象の中で猛威を振るう猛暑から地域社会を守るため、「Heat Ready CA」キャンペーンを開始したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同州知事室によると、州を挙げての猛暑対策キャンペーンは全米で初めてとなる。

2年間で2,000万ドルを投じるこのキャンペーンは、4億ドル以上の予算を確保した知事の「猛暑対策行動計画」(注1)の一環であり、65歳以上の高齢者、労働者、慢性疾患や障害がある人、妊娠中の人など、暑さに対して最もリスクの高いグループに焦点を当てている。同キャンペーンでは、カリフォルニア州の熱波への対応指導、脆弱(ぜいじゃく)な地域社会への冷房設置の奨励、最前線で働く労働者の保護を目的としている。同州は専用のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも立ち上げ、暑さ対策のコツや涼しい場所の情報提供などを行っている。

知事室は、上記キャンペーン発表のプレスリリースの中で、メディア報道を引用しながら、「米国国立気象局(NWS)が同州と米国南西部の大部分の地域で、過去最悪の猛暑になると予測している」と述べた。NWSは、南カリフォルニアの砂漠、低山、内陸の谷、セントラルコーストの内陸部に猛暑警報を発令している。この警報は7月11~15日まで適用され、気温は37.8~44.4度に達すると予想されている。さらに、NWSは山火事の危険性も高まると警告している。カリフォルニア州は7月11日、異常気温対応計画のフェーズ2(注2)に移行した。同州緊急サービス知事室のブライアン・ファーガソン氏は「われわれは行政として、地域社会を守るためにこの問題に積極的に取り組んでいる」と述べている。

(注1)カリフォルニア州政府は2022年4月28日、平均気温の上昇と熱波による健康、経済、文化、生態系、社会的影響を緩和するための行動計画を発表した。ロングビーチでは、同年4月初めに最高気温38.3度を記録し、2014年4月の最高気温を5度程度上回る猛暑に見舞われた。

(注2)同州はNSWの気象発表に基づき、フェーズ1~3の3段階で決定している。フェーズ1は熱波が予測される場合、フェーズ2は熱中症注意報や警報が発令された場合、フェーズ3は猛暑警報が発令された場合。

(濱真奈)

(米国)

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