「日本・サウジアラビア・ビジネス・ラウンドテーブル」がジッダで開催
(サウジアラビア、日本)
企画部企画課海外地域戦略班
2023年07月24日
岸田文雄首相は7月16日にサウジアラビアを訪問した。岸田首相による同国の訪問は初めてで、日本の首相による訪問は2020年1月以来3年半ぶりとなった。今回の訪問には経済ミッションとして約40社の日本企業・団体が同行した。
滞在中、首相はムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相との首脳会談に臨んだほか、サウジアラビア投資省が主催し、経済産業省・ジェトロ・中東協力センターが共催する「日本・サウジアラビア・ビジネス・ラウンドテーブル」に出席した。両国の官民関係者によるプレゼンテーションと意見交換が行われた。
同ラウンドテーブルでは、サウジアラビア政府よりハーリド・ビン・アブドゥルアジーズ・アール・ファーレフ投資相が歓迎のあいさつを行うとともに、エネルギーを軸とする従来の2国間関係のみならず、水素やアンモニアなどの新しい技術分野における日本企業との連携を呼びかけた。
また、サウジアラビアの投資環境の紹介や、クリーンエネルギー、クリーン化学、鉱業、ヘルスケア、デジタルイノベーションをテーマとして日本企業が登壇し、両国の政府・企業関係者らが活発に意見交換した。
その後、岸田首相は日本側を代表し、両国間の戦略的パートナーシップである「日・サウジ・ビジョン2030」の実現に向けた協力関係の強化に言及した。サウジアラビアが日本にとってエネルギー安全保障上の戦略的パートナーであることを踏まえ、同計画の下、クリーンエネルギー、スタートアップ、医療・ヘルスケア、観光、エンターテインメント、宇宙、半導体や電池といった各分野での協力を進めていく姿勢を打ち出した。
さらに、両国間の投資や人材育成を促進し、日本の技術によるサウジアラビアの産業多角化および経済発展に向けた支援を表明した。
同フォーラム後に行われた首脳会談では、外相級の戦略対話の設置について合意したほか、日本側は「日・サウジ・ビジョン2030」の第2章を「ジャーニー」と銘打ち、先端分野、医療・ヘルスケアなどへの協力拡大を表明した。さらに、中東地域を次世代燃料や鉱物資源供給のグローバルなハブにするため協力する姿勢を明らかにした。ムハンマド皇太子も、幅広い分野で引き続き両国が緊密に連携していくと応じた。
今回の訪問に際しては、両国企業などによる協力覚書の署名・交換が行われ、26の覚書が発表されている(2023年7月20日記事参照)。
(遠藤誠吾)
(サウジアラビア、日本)
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