原子力政策評議会、EPR2の建設予定地を決定

(フランス)

パリ発

2023年07月26日

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は7月19日、原子力政策の大枠を規定し、実施するための原子力政策評議会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの第2回会合を招集した。

同評議会は、マクロン大統領が2022年2月に打ち出した6基のEPR2(改良型欧州加圧水型炉)の建設、既存原発の運転期間延長、小型モジュール炉・革新炉の研究開発、核燃料サイクル産業の維持・強化を柱にした原子力政策を国家レベルで運営するために立ち上げたもので、2023年2月に第1回会合が行われた(2023年2月14日記事参照)。

第2回会合では、EPR2の建設予定地として、ノルマンディー地域圏のパンリー原発、オー・ド・フランス地域圏のグラブリーヌ原発に続き、オーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏のビュジェイ原発を選定した。既存の原発施設に隣接するかたちで、EPR2をそれぞれ2基ずつ(合計6基)建設する。今回の選定から外れたオーベルニュ・ローヌ・アルプ圏のトリカスタン原発については、将来のEPR2建設に向けて技術上の調査・検証を継続して行う。

原子力政策評議会は、パンリー原発の2025年までの着工を目指し、6月23日に公布された「既存原発の隣接地での原子炉新設に関わる手続き加速と既存原発の運営に関わる法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」について、関連規則の策定が進んでいることを確認した。

同法は20年間の時限措置として、既存原発の隣接地での原子炉新設に係わる建築許可の免除、パンリー原発など海岸沿いの原子炉新設に係わる海岸法の適用除外、非原子力区域の工事(土地造成、フェンス、駐車場の建設など)に係わる審査期間の短縮、環境法典で希少種の保全義務が免除される「公益上やむを得ない重大な理由」に該当することなどが盛り込まれている。

原子力政策評議会はまた、原子力・代替エネルギー庁(CEA)が2032~2034年の稼働に向けてプロバンス・アルプ・コート・ダジュール地域圏のカダラッシュに建設するジュール・ホロビッツ材料試験炉への投資継続を承認した。同炉建設は、既存原発の運転期間の延長とEPR2の建設だけでなく、小型モジュール炉の研究開発の推進に役立つと判断した。

次回会合では、現在策定中の複数年にわたるエネルギー計画と、エネルギー・気候計画法案について協議される予定だ。

(山崎あき)

(フランス)

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