欧州中央銀行、9会合連続の利上げ、上げ幅は維持

(EU、ユーロ圏)

デュッセルドルフ発

2023年07月28日

欧州中央銀行(ECB)は7月27日、フランクフルトで開催した政策理事会後、3つの主要金利を引き上げると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。利上げは9会合連続で、上げ幅は5、6月と同じ0.25ポイントとした(2023年6月16日記事参照)。今回の決定で、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)は4.00%から4.25%、限界貸付ファシリティー金利(オーバーナイト貸し出し、翌日返済)は4.25%から4.50%、預金ファシリティー金利は3.50%から3.75%となる。8月2日以降に適用される。

2022年7月1日に終了したユーロシステムによる債券・国債の購入プログラム(APP:asset purchase programme)については、同プログラムの下で購入して保有する債券・国債の再投資も7月に終了したため、慎重かつ予測可能なペースで減少しているとした。

2022年3月末に終了した資産購入プログラム「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」を通じて購入し保有する債券・国債の償還後の再投資期間については、少なくとも2024年末とする方針を維持した。

ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は記者会見で「インフレ率は引き続き低下しているが、依然として高過ぎる状態が長く続くことが予測される」とあらためて述べた。他方、これまでは今後の利上げを示唆することもあったが、今回は9月の利上げについて「データ次第」と強調した。

(作山直樹)

(EU、ユーロ圏)

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