欧州中央銀行、8会合連続利上げ、7月の利上げも示唆

(EU、ユーロ圏)

デュッセルドルフ発

2023年06月16日

欧州中央銀行(ECB)は6月15日、フランクフルトで開催した政策理事会後の記者会見で、3つの主要金利を引き上げると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。利上げは8会合連続で、上げ幅は前回会合同様の0.25ポイント(2023年5月8日記事参照)とした。今回の決定で、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)は3.75%から4.00%、限界貸付ファシリティー金利(オーバーナイト貸し出し、翌日返済)は4.00%から4.25%、預金ファシリティー金利は3.25%から3.50%となる。6月21日以降に適用する。

2022年7月1日に終了したユーロシステムによる債券・国債の購入プログラム(APP:asset purchase programme)については、前回会合同様、同プログラムの下で購入して保有する債券・国債は2月末までは全額再投資し、3月から6月末まで再投資額を毎月150億ユーロずつ減少することを維持することに加え、7月には再投資を終了するとした。

2022年3月末に終了した資産購入プログラム「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」を通じて購入し保有する債券・国債の償還後の再投資期間については、前回会合同様、少なくとも2024年末とする方針を維持した。

ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は記者会見で、インフレ率は低下しているが、高過ぎる状態が長く続くことが予測されるとした。また、質疑応答の中で、7月に予定している政策理事会でも利上げの公算が高いとした。

2023年、2024年のユーロ圏の経済成長予測を下方修正

記者会見に合わせて発表したユーロ圏に関するECBスタッフマクロ経済予測外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、2023年の実質GDP成長率を前回(2023年3月)予測値の1.0%から0.9%に下方修正した(添付資料表参照)。2024年も1.6%から1.5%と下方修正した。資金調達環境の厳しさを反映したもの。2025年については、その影響が可処分所得の増加や不確実性の低下により一部相殺されるとの予想で、1.6%を維持した。

(作山直樹)

(EU、ユーロ圏)

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