5月の乗用車販売は前年同月比14.9%増、成長続く
(インド)
ベンガルール発
2023年06月26日
インド自動車工業会(SIAM)は6月13日、2023年5月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は、前年同月比14.9%増の28万8,369台で(添付資料表1参照)、2022年5月以降13カ月連続のプラス成長を記録している。なお、表1の数字には含めないが、タタ・モータースの乗用車販売台数を含めると、5月単月の乗用車販売台数は33万4,247台に上る(注)。自動車販売全体(乗用車、二輪車、三輪車)では、前年同月比18.0%増の180万8,686台だった。
SIAMのラジェシュ・メノン事務局長は「2023年5月の乗用車販売台数は、前年同月比増加率を伸ばし過去最高となった。二輪車も成長したが、2016年度の水準を下回っている」と分析した。また、ビノド・アガルワル会長は「この成長傾向は今後も続くだろう」という見解を示したうえで、「インド自動車産業は、電気自動車(EV)、バイオ燃料自動車、ガス燃料自動車など、新しいパワートレイン技術への移行期にある」とコメントした。
メーカー別乗用車販売では(添付資料表2参照)、首位のマルチ・スズキは14万3,708台で前年同月比15.5%増、韓国の現代は14.9%増の4万8,601台、地場のマヒンドラ&マヒンドラは22.2%増の3万2,886台、トヨタ・キルロスカが88%増と大きく伸ばし1万9,079台、起亜は0.3%増の1万8,766台と、シェア上位メーカーには引き続き増加傾向が見られた。ほかの日系メーカーでは、ホンダが43.1%減の4,660台、日産が22.9%増の2,618台と増減があった。なお、地場のタタ・モータースは、同社発表によると電気自動車(EV)を含め4万5,878台(前年同月比6%増)を売り上げ、変わらず3位につけたもようだ。
車種別でみると、一般乗用車では、スズキのコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など計7万1,419台)、同ミニモデル(「アルト」など計1万2,236台)、現代のコンパクトモデル(「i20」など計1万7,186台)などの販売台数上位は変わらず。またUVでは、スズキ(「ブレッツァ」など計2万3,261台)が前年同月比2.3倍、トヨタ・キルロスカ(「イノーヴァ・クリスタ」など計7,776台)が2.8倍と日系が販売台数を伸ばした。また、マヒンドラ&マヒンドラのコンパクトUV(「ボレロ」など計1万7,591台)、同スポーツ用多目的車(SUV)(「スコーピオ」など計1万4,596台)といった売れ筋車種も引き続き増加傾向だ。
5月単月の二輪車販売は、前年同月比17.4%増の147万1,550台だった(添付資料表1、表3参照)。主要部門のオートバイは前年同月比20.6%増の98万9,120台、スクーターは12.2%増の44万6,593台、モペッドは2.0%増の3万5,837台といずれも増加した。
(注)タタ・モータースの販売台数は、単月の乗用車販売台数のみ公開。自動車販売台数全体およびセグメント別、メーカー別、車種別、二輪、三輪統計には含まれない。
(松田かなえ)
(インド)
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