第1四半期GDP成長率、EUは前期比0.1%、ユーロ圏は2期連続でマイナス成長
(EU、ユーロ圏)
ブリュッセル発
2023年06月12日
EU統計局(ユーロスタット)は6月8日、2023年第1四半期(1~3月)のEU27カ国の実質GDP成長率(季節調整済み)は前期比0.1%と発表した(プレスリリース、添付資料表1参照)。前期のマイナス0.2%からプラス成長に転じた。ユーロ圏(2023年1月に導入したクロアチアを含む20カ国)の実質GDP成長率は、前期に続きマイナス0.1%と、2期連続のマイナス成長となった。
EUの第1四半期の実質GDP成長率(前期比)を需要項目別でみると、個人消費はマイナス0.3%(前期:マイナス0.9%)、政府消費支出はマイナス0.9%(前期:プラス0.4%)といずれも縮小した。一方、総固定資本形成は0.3%(前期:マイナス2.8%)とプラス成長に転じた。輸出は0.1%(前期:マイナス0.3%、GDP成長率への寄与度:0.1ポイント)、輸入はマイナス1.3%(前期:マイナス2.3%、寄与度:0.7ポイント)で成長を支えた。
EUの第1四半期の実質GDP成長率(前期比)を国別でみると、加盟国間でばらつきがみられる(添付資料表2参照)。アイルランド(マイナス4.6%)やリトアニア(マイナス2.1%)など8カ国でマイナス成長となった一方、ポーランド(3.8%)やルクセンブルク(2.0%)などの4カ国では1.0%以上の成長率となった。EU主要4カ国では、イタリア(0.6%)、スペイン(0.5%)、フランス(0.2%)がプラス成長を維持したものの、ドイツ(マイナス0.3%)は前期(マイナス0.5%)に続いてマイナス成長だった。
雇用は引き続き拡大
2023年第1四半期のEUとユーロ圏の雇用者数の伸び率(前期比)をみると、EU、ユーロ圏でそれぞれ前期比0.5%増、0.6%増となった(添付資料表3参照)。国別ではリトアニア(1.5%減)、ルーマニア(1.1%減)などの4カ国で雇用者数が減少した。1.0%を超える増加となった加盟国は、エストニア(4.4%増)やマルタ(2.9%増)などの6カ国だった。
なお、ユーロスタットが6月1日に発表した2023年4月の失業率(季節調整済み)は、EU全体では前期横ばいの6.0%、ユーロ圏は前期から0.1ポイント改善し6.5%となった。
(大中登紀子)
(EU、ユーロ圏)
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