政府が企業の電力自家消費に向けた助成案件を発表

(ルクセンブルク)

ブリュッセル発

2023年06月08日

ルクセンブルク経済省とエネルギー・国土整備省は6月6日、両省が共同で実施した太陽光発電プロジェクトへの助成事業について、公募結果を発表した(プレスリリース、フランス語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。この助成事業は、2022年9月に政府と経営者団体、労働者団体の3者協議を経て成立したインフレ・購買力強化対策(Solidaritéitspak 2.0、2022年10月7日記事参照)として実施されるもので、太陽光発電施設の設置により、企業が使用するエネルギーの自家消費を促すことを目的としている。

公募は、発電容量別に(1)30~200キロワットピーク(kWp、注)、(2)200~500kWp、(3)500kWp~5メガワットピーク(MWp)の3区分で行われ、各案件それぞれ最大60%、55%、50%を助成する(ただし、kWp当たりの上限金額あり)。106件の応募があり、75企業から85件のプロジェクトが助成対象として選定された。全プロジェクトの発電容量の合計は約46MWp、総額は約4,400万ユーロ、そのうち約1,600万ユーロを助成する。選定された企業は今後18カ月以内にプロジェクトを実行するとしている。

選定結果を見ると、鉄鋼大手アルセロール・ミタルとガラス製造ガーディアンのプロジェクトの発電容量はそれぞれ5MWpと最大で、カーゴルクス(航空貨物)、ユーロフォイル(包装材)、シェル(石油化学)、メルテール河川港(ロジスティクス)などの大手企業のほか、食品加工、機械、金融、繊維など幅広い分野の案件が選定された。

クロード・トゥルメス・エネルギー・国土整備相は、2022年に設置された太陽光発電施設1,053カ所のうち、793カ所が自家消費を目的としたものだったとして、企業の電力自家消費へ向けた取り組みが進展していることを歓迎した。

この助成事業の総予算は3,000万ユーロとされており、2回目の案件公募は7月に開始し、10月に締め切られる予定。

(注)欧州で使用される自然エネルギー発電の発電容量を示す単位。環境により発電量が変動する中で、平均の発電量を表すために使用される。

(山田泰慎)

(ルクセンブルク)

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