2022年米国の家庭向け電気料金は過去最大の伸び、今夏は約2%増の見通し

(米国)

ニューヨーク発

2023年06月02日

米国エネルギー情報局(EIA)は5月31日、2022年の1世帯当たりの電気料金が月平均137ドルと、前年(121ドル)から13%上昇(インフレ調整後で5%上昇)し、1984年の統計開始以降で最大の伸びを記録したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。月平均の電力消費量は、冬と夏の寒暖差が大きく、暖房と冷房の両方の電力消費量が増加したことで、前年〔886キロワット時(kWh)〕から2.4%増加(907KWh)した。また、発電所の燃料費が上昇したことで、家庭用電力平均小売価格は1kWh15.12セントと、前年(13.66セント)から11%上昇(インフレ調整後で2.5%上昇)し、価格の上昇に拍車をかけた。

2023年第1四半期(1~3月)は、1カ月の電力消費量が前年同期から7%減少する一方、電力平均小売価格が13%上昇したため、1世帯の月間平均電気料金は前年同期比5%増の133ドルとなっている。2023年夏の電力消費量は前年と同程度と見込まれているものの、電気平均小売価格上昇のため、電気料金は前年比で約2%上昇と予測されている。

米国海洋大気局(NOAA)によると、2023年5~7月にいわゆるエルニーニョ現象が生じる確率は62%、秋までには80%に上昇すると予想されている。エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象だ。夏にこれが生じると、米国や日本では、一般に気温が例年より低くなる傾向にあるとされている。

(宮野慶太)

(米国)

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