中国企業、アルジェリアの鉄鉱石の鉱山開発計画に参入

(アルジェリア、中国)

パリ発

2023年06月30日

6月24日付「アルジェリア・プレス・サービス」によると、アルジェリアの国営鉱山公社マナール(注1)の傘下にある国営鋼鉄公社フェラールは、中国企業3社によるコンソーシアム「CMH」(注2)と鉄鉱石の採掘および鋼板製造工場の建設計画に関する合意書を締結した。アルジェリア西部に位置するティンドゥフ県のガラ・ジェビレ・ウエスト鉱山で採掘した鉄鉱石を、ベシャールに建設する鋼板製造工場で加工する計画だ。2026年までに鉱石の年間処理能力200万トン、2040年までに5,000万トンの達成を目指す。

ガラ・ジェビレ鉱区の鉄鉱石の活用については、他国企業とも連携の動きがある。フェラールは2023年4月13日、トルコ鉄鋼大手トスヤル・ホールディング(以下、トスヤル)のアルジェリア法人と合弁会社の設立に関する合意書を締結した。トスヤルの投資額は最大1億5,000万ドルとみられ、ベシャールに建設する工場で2025年までにガラ・ジェビレ鉱区で採掘した100万トンの鉄鉱石から年間50万トンの鉄精鉱の製造を開始する計画だ。鉱山と工場を結ぶ鉄道インフラの整備後は、生産能力を年間1,000万トンに拡大する。また同じ4月13日、フェラールの親会社マナールのモハメッド・サクフル・ハラミ最高経営責任者(CEO)は、ガラ・ジェビレ鉱区で採掘される鉄鉱石の活用に向けた交渉が、前述のコンソーシアムCMH、カタール系製鉄合弁会社アルジェリア・カタール・スチール(AQS)とそれぞれ進行中と述べていた。

6月8日には、エネルギー・鉱業省のムハンマド・アルカブ大臣とオーストラリアの鉱山企業による、亜鉛・鉛鉱山の開発計画に関する会談が行われており(2023年6月16日記事参照)、アルジェリア政府の方針に基づき、外国企業を含めて鉱山開発計画が加速している。

(注1)国営鉱山公社マナールはエネルギー・鉱業省の管轄下。

(注2)「CMH」は、中国企業3社(CWE、MCC、Heyday Solar)から成るコンソーシアム。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア、中国)

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