ペトロベトナムガス、英シェルと国内初のLNG購入契約を締結
(ベトナム)
ホーチミン発
2023年06月06日
ベトナム国営石油ガス会社のペトロベトナムガス(PVガス)は5月22日、英国石油大手シェルとの間で、国内初となる液化天然ガス(LNG)購入契約を締結したと発表した。契約に先立ち、PVガスは5月5日に、国内で初めてLNG輸出入業者の認可を受けていた。
今回の購入契約におけるLNGの輸入量および価格については明らかにされていないが、同社が南部バリア・ブンタウ省で建設中のチーバイLNG輸入ターミナルの試験運用に供される予定だ。
同ターミナルは2019年10月に着工し、2022年第3四半期(7~9月)に第1期(100万トンの年間受け入れ能力)の稼働を予定していたが(2022年1月4日記事参照)、新型コロナウイルスの流行などの影響により建設に一部遅れが生じた。同ターミナルは現在、10万載貨重量トン(DWT)のLNG船を受け入れ可能で、LNG貯蔵タンク(容量は18万立方メートル)が設置されており、今後、タンクローリーによるLNG陸上輸送ターミナルが完成する見込みだ。
PVガスは2023年5月25日に開催した年次株主総会において、同ターミナルの第1期の試験運用を2023年7月初旬に始めるとし、将来的にはLNGの年間受け入れ能力を300万トンまで引き上げる計画を明らかにしている(ダウトゥオンラインニュース5月25日)。
同社が輸入するLNGは、2023年末からパイプラインやタンクローリーの陸上輸送により、近隣のガス火力発電所などに供給される予定。今後の主な供給先としては、バリア・ブンタウ省に隣接するドンナイ省で建設予定のニョンチャック第3、第4火力発電所などが想定されている。
(児玉良平)
(ベトナム)
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