「簡易版」自動車の生産ルール再延長も、ABS搭載は12月から必須に

(ロシア)

欧州課

2023年06月02日

ロシア政府は5月31日、安全基準や環境基準の緩い「簡易版」自動車の生産を認める規則の期限を2024年1月31日まで延長することを決めた。同規則は2023年1月に既に延長され、5月末が期限となっていたが(2023年2月8日記事参照)、ウクライナ侵攻を契機とした外国メーカーの撤退やサプライチェーンの混乱などを背景に、期限が再び後ろ倒しされた。ロシア国内の自動車メーカーは引き続き、エアバッグ非搭載の車両生産が認められることになる。

一方で、今回の決定では、一部のルールが厳格化された。排ガス規制はユーロ0から5(注)まで全ての基準が認められていたものが、6月1日以降はユーロ2以上を満たさなければならない。また、2023年12月1日からはアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)の搭載が義務化される。産業商務省は段階的に従来の技術規則に戻していくことを政府に提案している。同省のアルベルト・カリモフ次官は5月31日、「自動車業界は既に『簡易版』のルールから離れる準備ができている」と記者団に語っている(インターファクス通信5月31日)。

(注)EUの自動車排出ガス規制のこと。後に付く数字は規制強化の段階を表している。最新のものとしては、欧州委員会が2022年11月にユーロ7を発表している(2022年11月11日記事参照)。

【欧州課】

(ロシア)

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