「大連市産業用メタバースのイノベーション創出3カ年行動計画(2023~2025年)」を公表

(中国)

大連発

2023年06月27日

中国の大連市工業情報化局は6月9日、「大連市産業用メタバースのイノベーション創出3カ年行動計画(2023~2025年)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を策定・発表した。行動計画は、今後3年間で既存の産業用メタバース事業の基盤を固め、産業エコロジーの強化や産業チェーンの近代化などを推進し、次世代情報技術と実体経済の融合により、大連市経済の活性化を図ることを目的とする。

産業用メタバースとは、産業分野で活用するインターネット上の仮想空間を指す。現実と仮想空間の双方向コミュニケーションを可能とすることで、製造業の高度化やスマート化、グリーン化を実現する。

行動計画では、今後3年間で(1)第5世代移動通信システム(5G)、光ファイバーブロードバンドネットワーク、データセンター、産業インターネット、IoT(モノのインターネット)などのインフラ整備強化、(2)地元の大学や研究機関の理論・基礎研究を生かした産業用メタバースのコア技術に関する研究開発の強化、(3)工業製造分野の設計、生産の最適化、設備のメンテナンス、製品テスト、技能訓練などの実証実験の推進、(4)建設予定のメタバースビル、メタバース体験センターといった革新的な施設の建設などの戦略を打ち出した。

当局は、行動計画の策定によってメタバース関連製品・技術の商用化推進ほか、メタバース重点企業(30社以上)の育成や、2025年までに大連市を中国国内最大規模のメタバース拠点にすることを目標に掲げている。

なお、大連市内には産業用メタバース関連機関として、大連市メタバース産業連盟や大連理工大学AI(人工知能)研究所メタバース産業技術センターなどが設立されており(2022年7月5日記事参照)、産業用メタバースの発展が見込まれている。

(李莉)

(中国)

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