「ブランド・ファイナンス・インディア 100 2023」発表、タタ・グループが1位に
(インド)
アジア大洋州課
2023年06月19日
英国に本拠を置くブランド評価会社のブランド・ファイナンス(Brand Finance:BF)社は6月7日、世界で最も価値あるブランド(企業)上位500社の年間ランキング「ブランド・ファイナンス・グローバル 500 2023」と「ブランド・ファイナンス・インディア 100 2023
」を発表した(注)。両ランキングの中で、タタ・グループ(Tata Group)は前年に引き続き、インドで最も価値あるトップブランドとしての地位を維持した。
BF社によると、インド企業がブランド価値250億ドルの大台を突破し、グローバル500の中でトップ100に入ったのは、今回が初めてとのこと。この結果を受け、BF社のディレクターのサビオ・ドゥスーザ氏は「この2年間で、タタ・グループはデジタル化を受け入れ、その多様なポートフォリオを用いてテクノロジーの力を活用することで、大きな戦略的変革を遂げた」とコメントした。
インディア100ランキングの主なハイライトは次のとおり。
- インドのトップ100ブランドは、新型コロナウイルス感染拡大後の混乱した状況や地政学的な不確実性の中で、前回2022年1月1日の評価以来、総額2兆ドルに迫る成長、レジリエンスを示した。
- IT大手インフォシス(Infosys)は、ITサービス業界の厳しい地政学的状況の中、前回同様、総合順位で2位を維持(セクター別のITサービス分野では、タタ・グループ傘下のタタ・コンサルタンシー・サービスに次ぐ2位)。
- 高級ホテル大手のタージ・グループ(Taj Group)は、ブランド力の強さ指数で100点満点中89.4点を獲得し、前回より2年連続でインド最強ブランドとなった。2位は乳製品を展開するアムル(Amul)、3位は食品加工を行うブリタニア(Britannia)と、食品関連会社が続いた(セクター別の食品分野ではそれぞれ1位、2位を死守)。
- マヒンドラ・オート(Mahindra Auto)、タタ・モーターズ(Tata Motors)、マルチ・スズキ(Maruti Suzuki)の3社は、インドでの電気革命への推進力とパンデミック後の潜在的需要の高まりを受け、各社のブランド価値は2桁の伸びを示した。
- 全体的に自動車、金属、建材、病院の各分野のブランドが急上昇した。特に、タタ・スチール(Tata Steel)、ヒンダルコ(Hindalco)、ベダンタ(Vedanta)といった金属分野のブランドは、過去1年間のインドのインフラ、グリーンフィールド投資の復活を背景に、2023年は力強い成長を記録した。
- インドの金融サービス(ブランド価値16%増)、ITサービス(同15%増)、通信(同7%増)分野の各ブランドは、パンデミック後の経済回復期に、高いブランド価値を達成した。
(注)同ランキングは、総合的なブランド価値の測定に加えて、マーケティング投資、親しみやすさ、ロイヤルティー、スタッフの満足度、企業の評判などの要素に基づき、ブランドを相対的に評価している。
(寺島かほる)
(インド)
ビジネス短信 9eb9bfeca4d1f9ca