米国、2022年の年齢中央値予測38.9歳、前年より0.2歳上昇で高齢化進む

(米国)

ニューヨーク発

2023年06月27日

米国国勢調査局は6月22日、2022年の米国民の年齢中央値(予測)が前年から0.2歳上昇の38.9歳となったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。米国では、2022年の合計特殊出生率が1.67、人口増加率が0.4%と、少子化、人口増の鈍化が鮮明となったことに加え(2023年6月2日記事参照)、今回の発表で高齢化も明らかとなった。

全米50州と特別区のうち47州で年齢中央値が上昇、アラバマ州、メーン州、テネシー州、コロンビア特別区で横ばい、低下を記録した州はなかった。年齢中央値の最高はメーン州の44.8歳、最低はユタ州の31.9歳だった。

2022年の人口を人種別に見ると、白人は前年より0.1%増の2億6,057万291人で、白人人口の最も多い州はカリフォルニア州(2,907万9,926人)、次いでテキサス州(2,385万3,626人)、フロ​​リダ州(1,755万3,268人)だった。黒人は前年より0.9%増の5,008万7,750人で、黒人人口が最も多いのはテキサス州(433万4,313人)だった。ヒスパニック系は前年より1.7%増の6,366万4,346人で、ヒスパニック系人口が最も多い州はカリフォルニア州(1,573万2,180人)、次いでテキサス州(1,206万8,549人)、フロ​​リダ州(602万5,030人)だった。なお、ニューヨーク州(386万7,076人)はヒスパニック系人口が減少した唯一の州(0.7%減、2万7,522人減)となっている。アジア系は前年より2.4%増の2,468万3,008人で、アジア系人口が最も多い州はカリフォルニア州(724万2,739人)、次いでニューヨーク州(208万5,285人)、テキサス州(195万8,128人)だった。

世界保健機関(WHO)によると、2018~2021年の期間で、米国の年齢中央値38.5歳は世界で50位と、1位の日本48.6歳、2位のドイツ47.8歳と9~10歳の差があり、先進国の中では年齢中央値は低い。しかし、冒頭に述べたとおり、合計特殊出生率は人口維持に必要な2.1(死亡数が不変かつ移民ゼロの場合)を2007年以降下回っており、少子化傾向が続けば人口の高齢化も続く可能性がある。現在は移民の流入などが出生数の低下を補っているが、バイデン政権は南部国境からの不法入国者増への対策に取り組んでいる(2023年5月11日記事参照)。人口動態は経済成長に大きく影響を与えることから、2023年以降も米国の少子高齢化のトレンドが続くか注目される。

(宮野慶太)

(米国)

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