パリで開催の「ビバ・テクノロジー」にアフリカのスタートアップ参加
(フランス、チュニジア、カメルーン、エチオピア、ナイジェリア)
パリ発
2023年06月23日
7回目となる欧州最大のテックスタートアップ見本市「ビバ・テクノロジー(ビバテック)2023)」がパリで6月14~17日に開催された。フランスのエマニュエル・マクロン大統領や米国の電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が講演するなど話題も多く、過去最多の174カ国から15万人以上が来場した。出展した企業は2,800社に上った。
アフリカからは、チュニジア、コートジボワール、南アフリカ共和国、セネガルなど8カ国がナショナルパビリオンを設けた。ビバテックと世界銀行グループの国際金融公社(IFC)が主催した「第2回アフリカテック・アワード」では、環境部門でエチオピアの「キュービック(Kubik)」(リサイクルが困難なプラスチック廃棄物から建材製造)、ヘルステック部門でカメルーンの「ワスピト(Waspito)」(携帯電話のアプリケーションを通して患者と医師を結び、ビデオ通話で医療相談を可能に)、フィンテック部門でナイジェリアの「キュラセル(Curacel)」(保険業務の簡素化と迅速化を実現)が受賞した。各国のパビリオンとは別に、主催者が「アフリカテック」パビリオンを設け、受賞3社のほか、空気中の水蒸気から飲料水を作る技術を開発したチュニジアのキュムリュス・ウォーター(Kumulus Water)など9社が参加した。
チュニジアパビリオンを設けたチュニジア通信技術省のイベント担当主幹のソニア・ガルサラー氏は、参加企業の公募を行った際、欧州市場への進出に関心を持ち、欧州の投資家を必要としている点を重視して、スタートアップ10社を選定したと述べた。チュニジアは5月31日~6月2日にモロッコのマラケシュで開催された見本市「GITEX AFRICA」(2023年6月9日記事参照)へも参加しているが、その際はアフリカ市場志向のスタートアップを選定したという。チュニジアは同国スタートアップの層の厚さを生かし、ターゲット市場に応じたスタートアップを売り込む戦略を展開している。
(渡辺智子)
(フランス、チュニジア、カメルーン、エチオピア、ナイジェリア)
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