アフリカ、電力アクセスに引き続き課題

(アフリカ、ナイジェリア)

中東アフリカ課

2023年06月08日

国際エネルギー機関(IEA)と国際再生可能エネルギー機関(IRENA)、国連統計部(UNSD)、世界銀行(WB)、世界保健機関(WHO)は6月6日、エネルギー進捗報告書2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公開した。この報告書は、持続可能な開発目標(SDGs)17のうちの7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)を2030年までに達成する取り組みの一環として作成されたもの。電力アクセスや再生可能エネルギーの利活用、公共セクターによるファイナンスなどの項目について、2021年現在の進捗状況を説明しつつ、今後取り組むべき課題について提示している。

報告書によると、2021年現在、電力へのアクセスがない人々の数は世界人口の約9%に当たる6億8,000万人で、2010年の11億人と比べると減少した。一方、アフリカでは、一部の国を除いて、依然として電力へのアクセスを持たない人々が多く存在する実態が明らかとなった。

同報告書では、アフリカで電力アクセスを持たない人々の数は、ナイジェリアが最多で8,600万人、コンゴ民主共和国が7,600万人、エチオピアが5,500万人、タンザニアが3,600万人と続いた。統計によると、世界の電力非アクセス者数(6億8,000万人)の約75%に当たる5億1,000万人は上位20カ国で占められている。このうち17カ国、約4億7,000万人をアフリカが占める結果となった

また、人口に対する電力アクセス者数の割合は、南スーダンが8%で世界最小、ブルンジ(同10%)、チャド(同11%)、マダガスカル(同14%)、中央アフリカ(同16%)が続いた。電力アクセス率100%を達成しているアフリカ諸国はアルジェリア、エジプト、チュニジア、モーリシャス、モロッコの5カ国にとどまった。

(谷波拓真)

(アフリカ、ナイジェリア)

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