フランス中銀、2023年のGDP成長率を0.7%に上方修正

(フランス)

パリ発

2023年06月30日

フランス銀行(中央銀行)は6月20日に発表したマクロ経済予測外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの中で、2023年の実質GDP成長率を0.7%と予測し、2023年3月予測の0.6%、2022年12月予測の0.3%から2回連続して上方修正した(添付資料表参照)。

消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)は、2023年2月に前年同月比で7.3%のピークに達した後、2023年は年平均で5.6%と2022年の5.9%から低下すると見通し、「フランス経済は減速しつつも不況に陥ることなく、緩やかなインフレ抑制に成功している」とした。

エネルギー価格は、原油やガスの国際価格低下を受けて、値下がりが続く見通し。食品価格の上昇はある程度続くが、2023年下半期は原材料の需給緩和を受けて大幅な値下げに転じ、2023年第4四半期のインフレ率は4%近くまで低下するとした。

一方、CPIから価格変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数の上昇率(コア・インフレ率)は、年平均で4.4%と2022年の3.4%から上昇すると予測した。賃上げおよびサービス料金の値上げが続いており、低下基調は緩やかなものになるとした。民間部門の基本月給(賞与を除く)は、2023年第1四半期に前年同期比で4.6%増となり、前期の3.9%増からさらに伸びを強めた。2023年通年で5.5%増に達する見通し。

利上げによる金融引き締め効果で、インフレ率は2024年に2.4%、2025年に1.9%と2%前後まで低下する見通し。一方、景気回復基調は当初の予測から弱まる見込みで、2024年の実質GDP成長率を1.0%、2025年を1.5%と前回3月の予測値(前者1.2%、後者1.7%)から下方修正した。失業率は、2023年に7.1%まで低下した後、景気減速に伴う雇用創出数の減少を受けて2024年は7.4%、2025年は7.6%に上昇するとした。

財政赤字のGDP比は、2023年に5%を超えた後(2022年は4.7%)、2025年まで4%を超える高い水準で推移する見込み。公的債務残高は、2025年まで同比110%を超える水準にとどまると予測した。

(山崎あき)

(フランス)

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