ニッケル、コバルトの鉱山開発を促進

(コートジボワール)

アビジャン発

2023年06月22日

コートジボワール政府は6月7日、ギニアとの国境沿いに位置するシピル県に賦存するニッケル・コバルト鉱床の採掘権をニッケル・ド・ルウェスト・コートジボワール(NICKEL DE L'OUEST COTE D'IVOIRE SA、NOCI)に付与する政令を閣議決定した。

同社にはアフリカを中心に広く資源開発に投資しているプライベート・エクイティ・ファンドであるGSOL(Global Special Opportunities Ltd.外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の関連ファンドが出資している。GSOLは2015年に、スイスに本社を置く鉱山開発企業グレンコアが保有していたシピル鉱区権益をフィリピンの銅鉱山権益、ドミニカ共和国のニッケル鉱山権益と合わせて2億9,000万ドルで買収した。その翌年、NOCIはコートジボワール西部の鉱山開発に3億6,500万ドルを投ずる計画を発表し、今回のシピル鉱床を除くいくつかの鉱区の採掘権を得ていた。

また、NOCIと同様に、GSOLからの出資を受けているCMB(Compagnie Minière du Bafing外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、コートジボワール西部のトゥバ市とビアンクマ市にまたがるフンベッソ(Foungbesso)鉱山で2017年以降、年間100万トンのニッケル鉱石を生産している。

カーボンニュートラル社会の実現に向けたバッテリーメタルとして、西アフリカ地域では、コバルト、ニッケル、リチウム(2023年2月3日記事参照)の探鉱・開発が進められている。各国政府が電気自動車(EV)普及を推進する中、リチウムイオン電池(LIB)の正極材として、コバルトとニッケルは欠かせない資源だ。

2022年の世界のEV販売台数は前年比55%増の1,005万台となり、将来的なEV普及を見込んだLIB向けのコバルトとニッケル需要は当面、増加傾向が継続するものと推測される。

(野澤俊明、渡辺久美子)

(コートジボワール)

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