スイス中央銀行、政策金利を0.25ポイント引き上げ1.75%に

(スイス)

ジュネーブ発

2023年06月26日

スイス中央銀行(SNB)は6月22日、金融政策をさらに引き締め、インフレ圧力に対抗するため、政策金利を前回から0.25ポイント引き上げ、1.75%とすると発表した(プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

SNBは中期的に高まっているインフレ圧力に対抗するために、政策金利をさらに引き上げる必要があるとした。また、適切な金融条件を提供するため、必要に応じて外国為替市場にも積極的に関与する意向を維持している。現在は外貨売りに重点が置かれている。消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)はここ数カ月で大幅に低下し、5月には2.2%となったが、これは輸入品のインフレ率の低下、特に石油製品と天然ガス価格の低下に起因する。

2023年第1四半期(1~3月)のスイスのGDP成長率は堅調で、サービス部門が勢いを増し、製造業の付加価値もわずかに増加した。労働市場も引き続き堅調で、生産能力は全体的に十分維持されている。

しかし、SNBは2023年中は緩やかな成長を見込んでいる。外需の鈍化やインフレによる購買力の低下、金融規制の強化などが影響し、2023年のGDP成長率は1%程度になる見込み。失業率の上昇と生産能力の減少も見込まれる。不動産市場に関しては、一戸建て住宅と個人所有のアパートの価格上昇が鈍化し、住宅ローンの伸びはほぼ横ばいなど、市場の脆弱(ぜいじゃく)性は続いている。

(竹上嗣郎)

(スイス)

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