現代自動車、広州市に海外初の水素燃料電池工場を完工

(中国、韓国)

広州発

2023年06月08日

韓国の現代自動車グループは61日、海外初の水素燃料電池システムの研究開発・生産・販売拠点「HTWO広州」を完工したと発表した。6月中に量産と販売を開始する予定。

同拠点は生産工場や研究開発センター、イノベーションセンターを併設しており、年間6,500基の水素燃料電池システムの生産能力を有する。中国で商用車をメインに燃料電池車(FCV)の実証運行を積極的に行い、乗用車、船舶、軌道交通、発電などの分野にも水素燃料電池システムを供給する。今後、中国市場の需要や政策に応じて生産や供給能力を順次拡大するとしている。

HTWO広州の呉承燦総経理は「HTWO広州は、現代自動車グループが中国で水素産業チェーンの上流・下流と協力し、事業拡大するためのハブとして、さらには、広東省の水素産業の中核企業として、世界と中国政府のカーボンニュートラルと水素産業の発展に積極的に取り組んでいく」と述べた。

また、同社は中国企業の広州市公共交通グループ(注1)、広州恒運グループ(注2)、広州開発区交通投資グループ(注3)、文遠知行(WeRide、注4)と提携し、FCVの実証応用プロジェクトを始動した。2024年までに広州市でバス、乗用車、物流車、冷蔵車、自動運転清掃車など合計1,500台の水素車を普及させる計画だ。

なお、現代自動車グループの316日付の発表によると、同社はFCV分野でスポーツ用多目的車(SUV)の「NEXO」、バスの「ELEC CITY Fuel Cell」、大型トラックの「XCIENT Fuel Cell」などの車種を発売しており、20231月時点の全世界累計販売台数は33,000台を超え、世界1位となった。

(注1)広州市公共交通グループは、中国華南地域最大の公共交運営企業。

(注2)広州恒運グループは、エネルギー、新エネルギー、新材料、省エネ・環境保護分野の投資建設と運営事業を行う国有企業。

(注3)広州開発区交通投資グループは、公共交通の建設運営や投資などを行う国有企業。

(注4WeRideは、自動運転レベル4の技術開発を手掛けるスタートアップ。

(汪涵芷)

(中国、韓国)

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