中国木材・木製品流通協会、訪日ミッションを派遣

(中国、日本)

北京発

2023年06月07日

中国木材・木製品流通協会(以下、協会)は2023746日に、山東省の日照市で「世界木材・木製品大会2023」を開催する。木材・木製品の関連企業・団体とのネットワークを構築できる貴重な機会であり、世界各国からの参加が期待される。

それに先立ち、協会は41723日に、中国木材企業・団体など1118人からなるミッション団を日本に派遣した。ジェトロは、同訪日ミッション受け入れへの協力の一環として、同ミッション団員や林野庁、日本の木材事業者との意見交換に参加した。

林野庁との意見交換では、同庁から、2022年の中国向け木材輸出金額は217億円、うち約8割が丸太の輸出であるため、丸太だけではなく、付加価値の高い木製品や製材などの輸出を強化したいとの意向が示された。

協会からは、最近の日本からの木材輸入は主にスギの丸太で、主な受け入れ先は江蘇省や山東省、主な用途は梱包(こんぽう)用、パレット、フェンス、アウトドア用などだと説明があり、日本産スギの密度と強度は加工に適しているものの、含水量が高いため、同量に対する要求が厳しくない商品への使用にとどまっているとの指摘があった。また、中国市場では、欧州、米州、アジア、アフリカなどからの木材が流通しており、日本産の木材製品も多いが、他国の木材製品と比べ国際的な価格変動への対応が十分ではないため、日本産は他の木材に代替されやすい状況になっているとの指摘もあった。さらに、日本産は中国国内でブランドとして展開しているものが少ないため、そのブランディングを進めていくことが、中国における需要拡大のポイントだと述べた。

写真 林野庁での意見交換会の様子(ジェトロ撮影)

林野庁での意見交換会の様子(ジェトロ撮影)

写真 木材事業者訪問の様子(ジェトロ撮影)

木材事業者訪問の様子(ジェトロ撮影)

また、協会は中国の木材輸入の今後の見通しに関して、「中国の2022年の年間原木輸入量は1億立方メートル、国産木材の年間生産量は9,600万立方メートルだった。新型コロナ禍で輸入量が減った。具体的には、中国向けの中欧班列(注)による輸送量が減ったことでロシアからの木材輸入が減少し、昨今、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大の影響が大きかった東南アジアや中東からの輸入も減少した。一方で、それ以外のフィンランドやオーストラリア、ウルグアイは中国への輸出を増やしている。新型コロナの流行終息後の2023年は、以前の主な木材生産国だったロシアや東南アジア、中東も中国への輸出を再開するだろう。その中で、日本産の競争力が高まることを期待している」と回答した。

写真 日本の木材事業者との意見交換の様子(ジェトロ撮影)

日本の木材事業者との意見交換の様子(ジェトロ撮影)

(注)中国と欧州やロシアなどの「一帯一路」沿線国を結ぶ国際貨物列車。

(朱琳)

(中国、日本)

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