ホンジュラスのカストロ大統領が初訪中、「一帯一路」にも参加
(中国、ホンジュラス)
武漢発
2023年06月23日
ホンジュラスのシオマラ・カストロ大統領は6月9~14日に中国を訪問した。今回の訪中は中国との外交関係樹立後、初となった。12日には習近平国家主席との会談が行われ、終了後に両首脳による共同声明が発表された。
共同声明では、「一つの中国」原則について確認し、ホンジュラスが中国の「一帯一路」構想に参画するほか、あらゆる覇権主義や強権政治、一国主義、保護主義、暴力行為、他国の内政干渉への反対を表明した。また、両国間の自由貿易協定(FTA)交渉やさまざまな実務協力の推進について合意した。
中国外交部の汪文斌報道官によると、この訪問期間中に両国は政治、経済貿易、検査検疫、農業、科学技術、文化教育、メディアなど17項目からなる協力文書に署名したほか、自由貿易協定(FTA)についても早期に協議を開始し、両国の経済貿易協力を絶えず新たな段階に引き上げることで一致したという。
また、今回の訪中に前後して、6月11日に北京市にホンジュラス大使館を開館し、13日には中国海関総署がホンジュラス産のコーヒー豆、バナナ、バナメイエビの輸入を許可した。これらはホンジュラスの主要輸出品目とされている。
テグシガルパに中国大使館が開館
ホンジュラスは台湾との外交関係を維持していたが、2023年3月に終了し、中国との大使級の外交関係を樹立した。これに伴い、在ホンジュラス台湾大使館と在サン・ペドロ・スーラ総領事館は閉鎖されることとなった(2023年3月27日記事参照)。その一方で、6月5日には、ホンジュラスの首都テグシガルパに中国大使館が開館した。
現在、台湾と外交関係を持つ国は世界に13カ国あり、そのうち7カ国が中南米・カリブ地域に集中している(添付資料表参照)。
(楢橋広基)
(中国、ホンジュラス)
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