中央アジア首脳、グリーン経済への移行を訴え、アスタナ国際フォーラム

(カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス)

タシケント発

2023年06月22日

カザフスタンの首都アスタナで6月8〜9日に「アスタナ国際フォーラム」が開催された。フォーラムでは、地政学的な緊張や気候変動が地域経済に及ぼす影響など、中央アジア地域全体に関する議論が行われた。

フォーラムには、IMFやWTO、欧州復興開発銀行(EBRD)、アジア開発銀行(ADB)など経済関連の国際機関代表や、カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領、キルギスのサディル・ジャパロフ大統領、ウズベキスタンのアブドゥラ・アリポフ首相ら中央アジアの首脳級が出席した。

各首脳は中央アジア地域の最大の課題として気候変動問題を挙げ、トカエフ大統領はこの問題を「存続の脅威」と表現した。中央アジアの2大河川であるアムダリヤ川とシルダリヤ川の水位が2050年までに15%低下し、環境の破壊につながる可能性も指摘した。同大統領とキルギスのジャパロフ大統領は気候問題解決への糸口として、グリーン経済への移行を参加者に呼びかけた。カザフスタンのトカエフ大統領は同国が再生可能エネルギーの中心地になること、ジャパロフ大統領は国際金融機関に対してグリーン経済事業に積極的に関与することへの期待を表明した。

ウズベキスタンのアリポフ首相は、中央アジア諸国は現在、気候変動、水・天然資源不足、新型コロナウイルス感染拡大による社会経済的影響、エネルギー危機などの諸問題に直面しており、建設的な議論と協力が必要との見解を表明したほか、農業や輸送・物流分野などでも積極的な投資を出席者に呼びかけた。

写真 アスタナ国際フォーラム会場(ジェトロ撮影)

アスタナ国際フォーラム会場(ジェトロ撮影)

(ウラジミル・スタノフォフ)

(カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス)

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