英中銀、政策金利を年5.0%に引き上げ、利上げ幅を拡大

(英国)

ロンドン発

2023年06月27日

英国イングランド銀行(BOE、中央銀行)は6月22日、政策金利を0.5ポイント引き上げて、年5.0%とすると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。前日まで開かれていた金融政策委員会(MPC)で決定した。2021年12月以降13会合連続の利上げとなったことに加え、利上げ幅も3会合ぶりに0.5ポイントに引き上げた。労働市場の逼迫と継続的な需要回復を背景にインフレが持続する兆しがある中で、インフレ抑制を最優先事項とし、MPCの委員9人中7人が0.5ポイントの引き上げを支持したとしている。

インフレ率は4月に前月比1.4ポイント減の8.7%に低下したものの、5月も横ばいで推移し、BOEが5月に発表していた予測を0.3ポイント上回った。BOEは今後、年間を通してエネルギー価格の動向を反映しながらインフレ率は低下すると予測している。特に生産者物価指数(PPI)の上昇率が低下傾向にある食品価格については、今後数カ月でさらに減少する見込みとしている。一方で、サービスに関しては労働コストなどのコスト増を反映し、短期的には上昇を続ける見通しとした。

GDP成長率については、2023年半ばに約0.25%の成長を見込むとした。うち、家計消費は回復傾向にあるとしている。また、労働力調査によると、4月までの直近3カ月間の雇用者数は0.8%増加し、前回会合(5月)時の予測を0.2ポイント上回った。特に学生の不就労率が大幅に低下したことが雇用者数増加に寄与したとしている。

さらにBOEは、固定金利住宅ローンの割合が高いことを踏まえ、これまでの利上げによる影響が完全に現れるのはしばらく先として、注意深くモニタリングするとしている。

(松丸晴香)

(英国)

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