中国とパレスチナ、北京で会談

(パレスチナ、中国、イスラエル)

テルアビブ発

2023年06月19日

中国国務院弁公庁は6月14日、中国の習近平国家主席とパレスチナ自治政府(PA)のマフムード・アッバース議長が北京で会談し、中国とパレスチナによる戦略的パートナーシップに署名したと発表した。

習国家主席は、中国はパレスチナを最初に承認した国の1つと述べるとともに、パレスチナの国連正式加盟に対する支持を表明した。イスラエルとパレスチナの問題については、次の3点を強調し、イスラエルとパレスチナ間の解決をあらためて支持した。

  1. 1967年の国境線に基づき、東エルサレムを首都とするパレスチナ独立国家を樹立することが根本的な解決策となる。
  2. パレスチナの経済面・生活面のニーズが満たされる必要があり、国際社会はパレスチナへの開発援助と人道支援を強化する必要がある。
  3. パレスチナ・イスラエル間での和平交渉を再開するために、大規模でより権威や影響力のある国際平和会議の開催が必要だ。

アッバース議長は中国の支援に感謝するとともに、中国が推し進める「一帯一路」構想に協力する意向を示した。また、中国が仲介したサウジアラビアとイランの協議についても高く評価すると述べた。

イスラエルの現地紙「タイムズ・オブ・イスラエル」(6月16日付)は、中国はサウジアラビアとイランの国交回復に向けた交渉を仲介するなど、中東での存在感を高める中、イスラエルに対しても、ハイテク産業へのアクセスを得るために、緊密な関係を模索していると指摘している。

(太田敏正)

(パレスチナ、中国、イスラエル)

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