米商務省、中国軍への加担など理由に外国事業体を輸出管理対象に追加

(米国、中国、パキスタン)

ニューヨーク発

2023年06月13日

米国商務省産業安全保障局(BIS)は6月12日、人権侵害や弾道ミサイルプログラム開発、中国軍への加担などを理由に、43の外国事業体の50拠点を輸出管理規則(EAR)上のエンティティー・リスト(EL)に追加外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。正式には6月14日付の官報で公示外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされるが、EL追加は12日から有効となっている。

ELとは、米国政府が「米国の国家安全保障または外交政策上の利益に反する行為に携わっている、またはその恐れがある」と判断した団体や個人を掲載したリストで、それらに米国製品(物品、ソフトウエア、技術)を輸出・再輸出・みなし輸出などを行う場合には、BISの事前許可が必要となる。今回追加した50拠点の国別の内訳は、中国31、アラブ首長国連邦(UAE)5、パキスタン4、南アフリカ共和国3、英国2に加えて、ケニア、ラオス、マレーシア、シンガポール、タイがそれぞれ1となっている。

BISは今回の措置について、中国人民解放軍(PLA)の現代化への加担を理由に追加した事業体が多かった点を特に強調している。BISを管轄するアラン・エステベス商務次官は「先端技術が中国の軍民融合戦略に利用され、米国の国家安全保障に脅威を与えることを防止することがわれわれの最優先事項だ」として、今回の措置の重要性を指摘した。

BISのプレスリリースによると、ELに追加された事業体は、PLAの航空機パイロットが西側諸国の航空機を操縦できるよう訓練するために西側諸国のパイロットを採用したことや、極超音速兵器の開発、極超音速航空機の設計、西側諸国のソフトウエアを利用した兵器のライフサイクル管理などに従事していたとされる。その他の事業体については主に、パキスタンでのミサイル開発や中国での人権侵害への加担が理由となっている。今回追加された事業体のほとんどについて、EAR対象製品の輸出などを行う場合は、許可申請をしても原則不許可の審査方針が取られることになっている。さらに、その中でも、上海スーパーコンピューティング・テクノロジーについては、外国で生産された製品でもBISが指定した米国製の技術・ソフトウエアが利用されている場合はBISへの許可申請を義務付ける外国直接製品(FDP)ルールが適用される。

(磯部真一)

(米国、中国、パキスタン)

ビジネス短信 3e1feaf2493f204d