5月の消費者物価上昇率は前年同月比0.53%、大幅に鈍化
(タイ)
バンコク発
2023年06月08日
タイ商務省が6月6日に発表した5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比で0.53%となり、前月(2.67%)から伸びが顕著に鈍化した。5カ月連続の低下、かつ21カ月ぶりの低水準となった。
主な要因はエネルギー価格の鈍化で、ベースとなる前年同月の物価が高かったことも影響した。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数についても、1.55%と前月(1.66%)から伸びが鈍化した。
食品・非アルコール飲料は3.99%(4月4.53%)、非食品はマイナス1.83%(同1.39%)だった。品目別の上昇率では、コメ・小麦・穀物製品3.56%(同5.11%)、総菜3.83%(同3.98%)、車両燃料マイナス11.3%(同マイナス1.12%)など。
商務省によると、6月のCPI上昇率も引き続き鈍化し、マイナスに転じる可能性もあると予測。理由として、政府による電気料金割引措置や、前年に比べて著しく下落傾向にある燃料価格、ベースとなる前年の物価高を挙げた。
なお、2023年通年のCPI上昇率については1.7%~2.7%(中央値2.2%)の予測を維持した。
(藤田豊)
(タイ)
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