2022年の対中経常収支は21年ぶりの赤字、対米は過去最大の黒字額記録
(韓国)
中国北アジア課
2023年06月27日
韓国銀行(中央銀行)は6月22日、2022年の地域別国際収支(速報値)を公表した。同年の経常収支は298億3,000万ドルの黒字と、黒字額は前年(852億3,000万ドル)に比べ大幅に減少した。相手国別でみると、中国は77億8,000万ドルの赤字と、21年ぶりに赤字を計上した。米国は677億9,000万ドルの黒字で、黒字幅は前年(455億4,000万ドル)に比べ大幅に増加した(添付資料表参照)。
対中経常収支が赤字になった理由として、半導体製造装置やフラットパネル製造用装置を含む機械類、石油製品などの輸出減少と原材料の輸入増加によって貿易収支が大きく悪化したことが挙げられる。また、サービス収支は輸送支払いの増加、第1次所得収支は配当収入の減少により、それぞれ収支が悪化した。他方、対米経常収支は、乗用車の輸出増加などで貿易黒字が増加し、過去最大の黒字額となった。
韓国の対中経常収支については、2003年以降、黒字を維持してきたものの、黒字額は2013年の560億ドルをピークに、2020年は172億5,000億ドルに減少し、2021年は234億1,000万ドルだった。2022年は前年比312億ドル減と大幅に悪化した。キム・ファヨン韓国銀行統計局国際収支チーム長は「2022年の対中国半導体輸出は、メモリー半導体の輸出が下半期に減少に転じ、年間でも減少した」と話した。
2022年の対日経常収支は177億8,000万ドルの赤字で、前年(222億ドルの赤字)に比べて赤字額が縮小した。加工品、石油製品などの輸出が増え、第1次所得収支も配当収入などが改善した。
(益森有祐実)
(韓国)
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