英閣僚、ウクライナ側と相次ぎ会談、軍事支援を中心に議論
(英国、ロシア、ウクライナ)
ロンドン発
2023年06月09日
英国のジェームズ・クレバリー外務・英連邦・開発相は6月5日、ウクライナ・キーウでボロディミル・ゼレンスキー大統領、ドミトロ・クレバ外相と会談した。英国が効果的にウクライナを支援するための方策について議論した。クレバリー氏は、これに先立ち訪問したエストニア、またNATO外相会合が行われたノルウェーでウクライナのNATO加盟を求めており、今回の訪問はこれも踏まえたものとしている。
英国政府は、6月7~8日にパリで行われるOECDの閣僚理事会でも、ウクライナの復興に対する国際支援を促すほか、ウクライナのOECD加盟に向けた取り組みについても議論する予定とした。また、OECDの新たなウクライナ支援プログラムに対しても、2年間、英国の基金から資金支援を行うとした。
リシ・スナク首相も5月15日に英国、6月1日にモルドバで、ゼレンスキー大統領と会談した。5月の会談では、防空ミサイルや無人航空機システムの追加供与を確認。6月の会談では、今後予定されるウクライナのパイロット訓練計画に関する情報共有のほか、6月21日から22日にかけてロンドンで予定されるウクライナ復興会議の準備状況についても共有したとしている。
さらに、ベン・ウォーラス国防相も5月24日にキーウを訪問し、ウクライナのオレクシー・レズニコフ国防相と会談した。ウォーラス氏は、5月11日に議会下院に対しウクライナに長距離ミサイルを供与したことを報告、今回の訪問でその使用法について議論したとしている。
ロシアへの新たな制裁も発表
英国の貿易救済庁は5月30日、ウクライナからの熱間圧延平鋼、コイル鋼に対するアンチダンピング措置の適用停止につき、さらに12カ月間延長することを発表した。同措置は2022年8月末に9カ月間の適用停止が発表されており、5月30日が期限となっていた(2022年9月5日記事参照)。
ロシアに対しては、5月18日に新たな貿易制裁を発表。ロシア産のダイヤモンド、銅、アルミニウム、ニッケルに対し輸入を禁止するとした。今後、法制化を経て適用される予定となっている。
(山田恭之)
(英国、ロシア、ウクライナ)
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