香港中央銀行総裁がUAE訪問、金融協力強化へ

(香港、アラブ首長国連邦)

香港発

2023年06月05日

香港金融管理局(HKMA)とアラブ首長国連邦中央銀行(ABUAE)の両総裁は5月29日、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビで、金融サービス分野の協力強化に向けた2国・地域間会議を開催した。会議では金融インフラや、金融市場のコネクティビティー、暗号資産(仮想通貨)の規制と発展の3つの主要分野で協力強化に向けた合意や、フィンテック共同開発のイニシアチブ、知識共有の取り組みに関する議論が行われた。合意したイニシアチブを推進するため、合同作業部会を結成する。

会議終了後に開催されたセミナーには、UAEと香港特別行政区の銀行関係者が参加した。UAE企業が香港の金融インフラプラットフォームを活用したアジア・中国本土市場へのアクセス方法や、広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)の金融・投資の問題解決、資本市場の機会について議論が交わされた。

余偉文(エディー・ユエ)HKMA総裁は5月29日に更新されたHKMAの公式コラム「inSight」で、2月に李家超(ジョン・リー)香港行政長官がビジネス団体とともに中東を訪問した際、「両地域間の協力強化と成長・発展の機会模索について、多くの関係者が関心を示した」と明らかにしている。また、2023年後半にサウジアラビアとASEANへの訪問を予定しているという。

香港銀行協会は「例年実施している中国本土への訪問を再開する予定で、これにより、香港の金融機関が中国本土の金融分野の最新動向を把握し、質の高い経済発展を促進するという国家戦略への貢献度などを理解するのに役立つ」と指摘したほか、「中国本土と香港の金融市場間の相互アクセス強化、ベイエリアとの協力により良い効果をもたらす」との見方を示した。

(松浦広子)

(香港、アラブ首長国連邦)

ビジネス短信 0d50832b29070956