第1四半期の輸出入は前年同期比2桁減、単月減少幅は縮小傾向
(香港)
香港発
2023年05月08日
香港特別行政区政府統計処が4月25日に発表した貿易統計によると、2023年第1四半期(1~3月)の貿易額は、輸出が前年同期比17.7%減の9,434億5,500万香港ドル(約16兆5,105億円、1香港ドル=約17.5円)、輸入が12.7%減の1兆550億6,900万香港ドルと、輸出入ともに減少した。3月単月では輸出が前年同月比1.5%減の3,671億5,910万香港ドル、輸入が0.6%減の4,077億5,380万香港ドルだった。輸出は11カ月、輸入は9カ月連続のマイナスとなったものの、減少幅は1月(36.7%減、30.2%減)、2月(8.8%減、4.1%減)からは大幅に改善している。貿易収支は405億9,470万香港ドルの赤字で、14カ月連続の赤字となった。
主要国・地域別にみると(添付資料表参照)、第1四半期は、最大の輸出先の中国本土が前年同期比23.8%減、米国が9.4%減、インドが14.9%減だったほか、日本向けも29.1%減となった。一方、アラブ首長国連邦(23.1%増)、オランダ(31.2%増)、マカオ(12.7%増)は2桁増を記録した。輸入では、中国本土(10.0%減)、台湾(21.4%減)、シンガポール(27.5%減)、日本(16.5%減)、米国(9.2%減)、韓国(39.9%減)など、主要国・地域で軒並み減少した。
香港政府報道官は輸出について、「(3月は)前年同月比で減少しているが、減少のペースは緩やかになっている。中国本土向けは引き続き減少した一方で、米国向け、EU向けは回復しつつある」と指摘した。今後の見通しについては「先進国の成長鈍化は香港の輸出に引き続き影響を与えるが、中国本土との越境輸送に関する制限撤廃により、その影響は一部で軽減されるだろう」との見方を示した。
(山口雅史)
(香港)
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