米農務省がコメ作付け動向レポート発表、コメ生産量は急回復の見込み

(米国)

ロサンゼルス発

2023年05月25日

米国農務省(USDA)は516日、コメの作付動向に関するレポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。同レポートでは、20232024年期(202381日~2024731日)の短粒米と中粒米の国内生産量が前期比57%増の5,070万ショートハンドレッドウエート(約230万トン)となり、前期のカリフォルニア州などの深刻な干ばつによる減産(2022年6月7日記事参照)から大幅に回復するとの見通しを示した。また、流通価格の低下を見込んでおり、中粒種や短粒種の季節平均生産価格は前期から12%低下し、1ショートハンドレッドウエート(約45.4キロ)当たり25.7ドルになるとしている。

国内生産量の回復には、コメの一大産地カリフォルニア州での降水量増加による作付面積の拡大が寄与している。同州では、2022年秋から2023年春にかけて歴史的な降水量を記録しており、農業生産者は生産に必要な水量を確保できているとみられる。

一方、同州内で精米所や米乾燥施設などと関係を持つ日系食品メーカーのカリフォルニア・ライス・センターは、カリフォルニア産米の生産状況について、今後も注視が必要だとしている。同社によると、カリフォルニア州の20232024年期の作付面積は、これまでの平均作付面積の約90%まで回復するとみられているものの、長雨の影響で種まきの時期が遅れており、歩留まりの懸念が残っているという。また、資材や人件費、燃料価格の上昇により、今秋の出荷分は、急激な価格減少にはつながらないだろうとの見方を示している。同社は今後、種まきが終了するタイミングで、生産量や価格についてさらに確度の高い情報が出てくるだろうとみている。

(木村恒太)

(米国)

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