上海市、香港・マカオなどの出入境管理政策措置を緩和

(中国)

上海発

2023年05月19日

中国・上海市公安局出入国管理局は5月15日、国家移民管理局の「出入境管理政策措置のさらなる調整と最適化に関する公告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)に基づき、同市から香港・マカオへの団体旅行および親族訪問・就労・留学を目的とする査証に関し、全国の出入国管理局での申請を可能とする「全国開通」(注2)を再開した。

具体的には、中国公民の一般パスポート、香港・マカオや台湾への往来を目的とした3種類の出入境許可証、香港またはマカオへの親族訪問・団体旅行・滞在に必要となる4種類の査証申請が可能となった。上海市公安局出入国管理局・中国公民出国(境)証件管理処の侯暁文副所長は、従来の20営業日から10営業日まで審査期間を短縮すると発表した。また、中国本土からマカオに留学する学生を対象に、滞在ビザの有効期日を調整すると発表した。

同入国管理局が1月8日、中国公民の国外旅行などを目的とするパスポート申請や外国人居留許可の発行を3年ぶりに再開して以来(2023年1月12日記事参照)、市民による出入境申請数は急増した。同局は5月時点で延べ200万以上のパスポート申請を受理し、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年同期比で15%増となった。

(注1)国家移民管理局が5月11日、人的往来をより活性化させるため、5月15日から出入境管理政策措置をさらに調整、最適化すると発表。主な内容は次のとおり。

  1. 香港・マカオへの団体旅行について、「全国開通」を全面的に再開する。中国公民は全国の出入国管理局で通行証の申請が可能。
  2. 香港・マカオへの親族訪問、就労、留学を目的とする査証について、「全国開通」を全面的に再開する。また、中国公民は上記ほか、医療、訴訟、財産処理などの事由による香港・マカオへの訪問が可能となる。全国の公安局出入国管理局において3種類の査証の申請が必須。
  3. 中国本土よりマカオに留学する学生に対し、滞在ビザの有効期間を調整する。従来は有効期間を最長1年としていたが、今後は学生の留学期間と一致するよう調整する。
  4. 入境時におけるファストトラック通関の運用を全面的に再開する。新型コロナウイルス感染拡大以前の制度と同様に、中国公民は、一般パスポート、香港・マカオおよび台湾への往来通行証、通年で複数回の出入境を可能とする特別通行許可証の携帯を条件とする。中国公民以外は、パスポートと外国人永久居留許可証およびEパスポート、6カ月以上の外国人居留許可証を携帯する場合、ファストトラック通路により通行が可能。

(注2)自身の戸籍が登録されている地域のみならず、全国の出入国管理局で査証の申請を可能とする制度。新型コロナ禍で一時停止していたが、従来の制度が再開した。

(宋青青)

(中国)

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