新型コロナ期の原産地証明手続きの柔軟化措置を終了

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年05月12日

インドネシア政府は4月28日施行の財務大臣規定2023年第35号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)において、経済連携協定(EPA)などに基づく特恵関税適用のための原産地証明の手続きを見直した。これに伴い、新型コロナウイルスの感染拡大時の緊急措置として取られていた原産地証明書の提出期限猶予(2020年5月12日記事参照)は廃止され、提出期限が大幅に短くなった。

これまでは、財務大臣規定2020年第45号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます関税総局長通達2020年第7号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)により、原産地証明書の提出に関して、輸入者などは、1.輸入申告の登録番号を取得した日から30日以内に、カラースキャンした原産地証明書(通達に定める様式SKA-1およびSKA-2)、通関関連書類およびステートメント・レター(通達に定める様式)を、電子メールまたはその他の電子的方法で税関へ提出、2.原産地証明書の原本を、輸入通関後90日以内に税関へ提出することができると規定されていた。

今般の財務大臣規定2023年第35号により、2023年4月28日以降、EPA特恵関税の適用を希望する輸入者などは、次のようになった。

(1)以下のカテゴリに応じ、原産地証明書の原本またはスキャンコピ―およびその他電子送信の方法により以下の提出期限内に提出すること。

  1. レッドライン(注)カテゴリの輸入者などの場合、税関からの通知書を取得してから1日以内
  2. グリーンライン(注)カテゴリの輸入者などの場合、税関からの通知書を取得してから3日以内
  3. AEO(認定事業者)取得の輸入者などの場合、税関からの通知書を取得してから5日以内

(2)原本以外の形式で提出された原産地証明書の内容に疑義があると税関が判断した場合、税関からの原本提出要請に応じ、1日以内に原本を提出すること。

本施行に伴い、原産地証明書の原本提出は必須ではなくなるものの、これまで新型コロナウイルスの感染拡大時の緊急措置として取られていた30日以内の提出猶予期限が大きく縮小される。また、輸入申告に対して税関が設定するカテゴリごとにその提出期限が異なってくることから、その提出期限を考慮したうえで申告を実施する必要がある。

(注)輸入申告実績や、輸入者の資質などを基に、インドネシア税関により決定される通関検査リスク指標。レッドが最もリスク指標が高く、イエロー、グリーンの順に続く。

(中村一平)

(インドネシア)

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