4カ所の新経済特区に開業ライセンスを発行、総投資額は470億サウジアラビア・リヤル

(サウジアラビア)

リヤド発

2023年05月31日

サウジアラビア投資省(MISA)は5月29日、リヤドにおいて投資会議「SEZ Investment Forum」を開催。4月13日に公表された4カ所の新経済特区、(1)西部のアブドゥッラー国王経済都市(2)東部のラス・アル・カイール(3)南西部のジャザーン(4)首都リヤドに対し、開業ライセンスを発行した(2023年4月13日記事参照)。ライセンス付与により、これらの経済特区は公式に企業勧誘などの活動を始動させることになる。

ハーリド・ビン・アブドゥルアジーズ・アール・ファーレフ投資相は開会あいさつで、「われわれは、自動車・ICT(情報通信技術)・農業・航空宇宙・石油化学・鉱山・再生可能エネルギーなど各分野において2,850億サウジアラビア・リヤル相当の取引を成立させた。サウジアラビアは、投資家心理と政府への信頼から、デジタル競争力、道路接続性、サイバーセキュリティー、港湾運営の質に至るまで、複数の社会・経済・ビジネス指標において信頼を呼び起こした。外国直接投資の誘致に重点を置いた、先進的かつ革新的な経済特区は、機会の最大化と主要産業間摩擦の最小化を目的に構築した」と述べた。

サウジアラビアの主要紙「サウジ・ガゼット」(5月29日)によると、新しい経済特区で操業する利点として、競争力のある法人税率、原材料や製造装置などの関税減免、100%単独資本による企業設立、世界中から優秀な人材を引きつけて雇用する柔軟性などが含まれる。また、経済特区内での企業間取引に関し、付加価値税(VAT)の恒久的な免除を提供するとした。

MISAは、今回の4つの経済特区を含む経済特区全体の投資額は470億サウジアラビア・リヤル(約1兆7,390億円、1リヤル=約37円)。現在1,160億サウジアラビア・リヤルの投資が進行中と発表している。

(林憲忠)

(サウジアラビア)

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