サウジアラビア政府が新たに4カ所の経済特区を公表

(サウジアラビア)

リヤド発

2023年04月14日

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相は4月13日、世界の投資先としての同国の地位を強化するとの公約に基づき、経済特区の新設を発表した〔4月13日付サウジアラビア国営通信社(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。新しい経済特区は、首都リヤド、南西部のジャザーン、東部のラス・アル・カイール、西部のアブドゥッラー国王経済都市(KAEC)の4カ所に設置される。

新経済特区は、サウジアラビアの戦略的立地を生かし、主要な成長分野の企業が、未来を形成する企業や技術を生み出し、拡大するための新しいハブを作り出すとともに、既存の国家戦略を支援しつつ、国際的な枠組みとの新たな連携を構築することを狙いとする。また、同特区は、多くのグローバル企業が直面するサプライチェーンの現地化・強靭(きょうじん)化という課題に対して、新たな解決策をもたらす。特区では、規制緩和やインセンティブなどによって、より魅力的な投資環境を提供する。インセンティブには、競争力のある法人税率、原材料・製造装置などの関税減免、100%単独資本による企業設立、柔軟な雇用制度などのインセンティブなどが含まれる。

政府は今後も経済特区増設を計画

サウジアラビアでは、2022年10月末に運輸省傘下の民間航空総局(GACA)がリヤドのキング・ハーリド国際空港(キング・サルマン新国際空港予定地)周辺に物流産業を対象とした総合物流特区を既に開設していた。政府は、同特区と今回の4つの経済特区が、政府が目指していたフリーゾーン構想に基づくものだとし、いずれも対内直接投資を促し、世界中から最も優秀な専門家を集め、国内での起業と経済発展を促進するものと位置付ける。また、今回の発表は大規模かつ長期的なプログラムの第1段階をなすものだとし、今後も特区を増設する方針であることを示した。

政府関係者によると、4カ所の特区は受け入れ対象とする産業をそれぞれ定めている。リヤドでは情報・クラウドコンピュータ分野、ジャザーンでは金属加工、食品、物流分野、ラス・アル・カイールでは造船、オフショア関連、KAECでは軽産業と物流(ヘルスケア、自動車組み立てなど)が対象になる見込みだ。

(秋山士郎)

(サウジアラビア)

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