中国北方地域、クリーン集中暖房のカバー率は7割超

(中国)

上海発

2023年05月19日

中国建築節能協会清潔供熱産業委員会(Clean Heating Industry Committee、以下、CHIC)は、2022年末までに、中国北方地域(注1)の集中暖房装置供給面積238億平方メートルのうち、風力、ソーラー、バイオマス燃料、地熱などの再生可能エネルギーの熱源を含むクリーン集中暖房のカバー率が75%を占め、179億平方メートルだったと発表した。5月9~10日に北京市で開催された第4回中国クリーン集中暖房産業サミットで明かにした。

CHICの報告によると、現在、全国でクリーン集中暖房産業に従事する企業数は8,300社、就業者数は121万人、産業の生産総額は9,150億元(約18兆3,000億円、1元=約20円)に達した。クリーン集中暖房産業は、新しいエネルギーシステムを構築しており、グリーン・低炭素の経済発展において重要な役割を担っている。

今回のサミットの主要テーマである「インテリジェントヒーティング(注2)の発展」について、清華大学建築学院の楊旭東副院長は「インテリジェントヒーティングは中国のカーボンニュートラル・カーボンピークアウトの実現においてとても重要だ。中国の集中暖房産業の発展に従い、管理系統は複雑化する。それぞれの暖房を統括的に管理するために、インテリジェント技術がとても大切だ」と指摘した(「毎日経済新聞」5月10日)。

(注1)中国は秦嶺山脈と淮河を境に北と南に分けられ(秦嶺淮河線)、主に境より北を北方地域と呼ぶ。

(注2)インテリジェントヒーティング(中国語で智慧供熱)とは、暖房エネルギーの生産と輸送、暖房情報のコントロール、配送パイプのオンライン監視・分析、室内温度の情報収集を行う、現代的暖房供給の総合ソリューションを示す。暖房供給の安定性、効率性、省エネおよび環境保護の実現を最終目標としている。

(龐婷婷)

(中国)

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