瀋陽華晨BMW、EV次世代モデルを2026年から生産

(中国、ドイツ)

大連発

2023年05月31日

ドイツ自動車大手BMWと中国の華晨汽車集団との合弁企業、華晨宝馬汽車(華晨BMW、瀋陽市)は5月18日の設立20周年の記念式典で、電気自動車(EV)の次世代モデルの生産を2026年から開始する方針を発表した。これに伴い、次世代モデル向けに第6世代高電圧バッテリーセルの現地生産も行うことも明らかにした。同工場の総投資額は100億元(約2,000億円、1元=約20円)に上る見込みで、約2,000人の新規雇用を創出する予定だ。また、記念式典当日、新エネルギー車用の実験室を持つ研究開発センターの2期拡張プロジェクトも稼働した(「瀋陽日報」5月19日)。瀋陽の研究開発センターでは、主にエレクトロモビリティーの技術開発と製品のローカライズに焦点を当てるという。

華晨BMWは2003年5月に設立された。過去20年間にわたり、BMWグループは中国での活動を継続的に拡大しており、瀋陽拠点の生産能力は3万台から83万台に拡大。同社の過去最大の投資プロジェクトは、2022年6月に稼働した瀋陽里達工場で、投資額は150億元(2022年6月30日記事参照)。

華晨BMWの中国内での部品購入額は2022年に730億元を超えたが、うち60%が遼寧省内からの調達という(「瀋陽日報」5月19日)。また、部品サプライヤーなど関連企業数(中国内の約430社)のうち約100社が瀋陽市にある。さらに、BMWグループの中国全体の従業員は3万人を超えるが、うち2万6,000人が瀋陽拠点で働いている。管理職の92%は中国人が占めている。華晨BMWは2021年時点で、16年間連続で瀋陽市納税額1位の企業となっている。

(高文寧)

(中国、ドイツ)

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