7閣僚の交代が決まる、ペトロ大統領との関係重視した人選

(コロンビア)

ボゴタ発

2023年05月01日

コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領が4月25日に行った閣僚への辞職要求(2023年4月27日記事参照)で7閣僚が辞職に応じたが、27日には後任者が早速明らかになった。新たな7閣僚は、ペトロ大統領がボゴタ市長だった時代の幹部など、大統領と個人的に近い関係を持ち、より忠実さを重視した人選と評されている。なお、ペトロ大統領は閣僚全員に辞職を求めたが、今回交代するのはこの7ポストにとどまるもようだ。

公表されている新閣僚は以下のとおり。

  • 大蔵・公債相:リカルド・ボニージャ・ゴンサレス氏〔主な職歴:ボゴタ市財務局長、国土開発銀行(FINDETER)総裁、国立大学教授〕
  • 保健・社会保障相:ギジェルモ・アルフォンソ・ハラミージョ氏(主な職歴:医師、ボゴタ市厚生局長、上院議員、トリマ県知事、イバゲ市長)
  • 農業・地方開発相:ジェニファー・モヒカ・フローレス氏〔主な職歴:弁護士、土地返還ユニット(URT)民族問題担当、コロンビア法律家委員会(CCJ)副会長〕
  • 内相:ルイス・フェルナンド・ベラスコ氏(主な職歴:弁護士、地方問題に関する大統領顧問、下院議員、上院議員)
  • 情報技術・通信相:マウリシオ・リスカノ氏(主な職歴:弁護士、大統領府行政局長、下院議員、上院議員)
  • 運輸相:ウィリアム・カマルゴ・トリアナ氏(主な職歴:エンジニア、国家インフラ庁長官)
  • 科学相:ジェセニア・オラヤ氏〔主な職歴:学者(人類学、アフロアメリカン、インクルーシブ教育など)、科学省副大臣〕

調査会社INVAMERの最新(4月)の世論調査によると、ペトロ政権の支持率は35%と、2022年8月の政権発足以来最低となった。不支持率は57%で、最高となっている。その背景として、新規の石油探査停止の方針などを巡り、閣僚間でコメントが食い違うことや批判合戦が起きることも多く、政策の不透明感を呼んで政権への支持にも影響しているとみられる。

(豊田哲也)

(コロンビア)

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