米ニュースケール、ニューコアの電炉の電力供給用小型モジュール式原子炉導入で提携

(米国)

ヒューストン発

2023年05月17日

米国の小型モジュール式原子炉(SMR)の技術開発を行うニュースケール・パワーは5月16日、米国電炉大手ニューコアと、ニュースケールが手掛ける「VOYGR SMR発電プラント」(注)を共同で設置し、ニューコアの電炉製鉄所に電力供給を検討する覚書を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ニューコアが、ニュースケールによる本電力供給を通じて、ネットゼロ・スチール製品を供給することで、製造パートナーシップの拡大を検討するとしている。

同覚書に基づき、両社は、ニュースケールのSMR発電プラントをニューコアの電炉製鉄所の近くに設置し、カーボンフリー電力を供給する候補地について、立地条件、送電相互接続能力、資本コストを評価するとしている。米国エネルギー省は、2050年までにネットゼロを達成するための重要なステップとして、鉄鋼製造業における二酸化炭素(CO2)排出量削減を挙げている。

ニュースケールのジョン・ホプキンス社長兼最高経営責任者(CEO)は「当社の持続可能性への取り組みを共有し、世界のエネルギー転換を支えるクリーンで信頼できるベースロード電力の供給における当社の技術を深く理解しているニューコアと、このように一歩前進できたことをうれしく思っている」「われわれは、当社のSMR技術がどのようにニューコアの高度な製鉄事業に貢献できるか、また、より持続可能な未来を推進するために両社がどのように協力できるかを判断できることを楽しみにしている」と述べた。

ニュースケールの最近の動向として、2022年12月にSMRの標準プラント設計プロジェクト完了(2022年12月23日記事参照)、2023年4月には、韓国の斗山エナビリティー、韓国輸出入銀行との協力関係を強化し、ニュースケールのSMR導入を加速するための覚書締結(2023年4月27日記事参照)を発表した。

(注)出力合計308メガワット(MW)の「VOYGR-4」、同462MWの「VOYGR-6」、同924MWの「VOYGR-12」からなる3つのモデルがある。

(沖本憲司)

(米国)

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