資材輸入で受けた融資の返済に外貨での製造品輸出代金の充当が可能に

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2023年05月24日

アルゼンチン中央銀行は5月18日、中銀通達A7770PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公布し、国外から入金する輸出代金を、輸出品の製造に用いる資材を輸入するために受けた融資の返済に充てられるようにした。これまでは、輸出で得た外貨の全額をペソに両替する必要があった。資材の輸入には、アルゼンチン共和国輸入システム(SIRA)での承認が必要だが、新たな仕組みでは、システム上に表示される支払い日よりも前に外貨で輸入代金を支払うことが認められる。中銀は、この仕組みによって融資返済に対する為替リスクを低減し、製造品輸出に必要な30億ドル分の資材輸入の円滑化が期待できるとしている。

外貨での製造品輸出代金の充当が可能となる融資は次の4つ。

  • 輸出品を製造に用いる資材の供給者から受けた融資
  • 外国金融機関、輸出信用機関からの融資、外国金融機関のクレジットラインにより地場金融機関から受けた融資で、資材の供給者に一覧払い、後払いで支払うもの
  • 資材購入のために資本関係のある企業から受けた融資で、資材の供給者に一覧払い、後払いで支払うもの
  • 外国金融機関、輸出信用機関、資本関係のある企業から受けた融資で、その資金が資材の供給者への直接の支払いに充当されず、外国為替市場で一度ペソに両替された後、供給者への一覧払い、後払いに充当されるもの

適用条件としては、次の7つが付されている。

  • 融資を受ける時点で資材の輸入に係るSIRAが承認された状態であること
  • 融資の対象となる資材が内国貨物化されたことを証明すること
  • 2023年5月19日以降に実行された融資であること
  • 元本、利息ともに資材の内国貨物化から240暦日以内に満期を迎えないこと
  • 最終的な満期を資材の内国貨物化から365暦日以内に迎えないこと
  • 元本の返済は資材の内国貨物化から8カ月目以降に行い、1カ月当たりの返済額が融資総額の5分の1を超えないこと
  • 資材の内国貨物化後に行われた輸出の代金をもって融資の返済に充てること

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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