JERAとNTTアノードエナジー、米再生可能エネルギー発電事業者などを買収へ

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年05月19日

発電大手JERAは5月18日、NTTグループでスマートエネルギー事業を展開するNTTアノードエナジーと、米国の再生可能エネルギー事業者パターン・エナジー・グループ(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)が保有するグリーンパワーインベストメント(GPI)をはじめとする国内再生可能エネルギー事業を共同で取得することとし、パターン・エナジーとの間で株式売買契約を締結したと発表した。2023年内に株式などの取得を完了する見込みとしている。

発表によると、GPIは2004年の設立以降、一貫して再生可能エネルギーの開発・建設・運営に取り組んでいる。同社は2006年に陸上風力発電所の開発・運営を開始し、2020年には、日本で当時最大となる陸上風力発電所「ウィンドファームつがる」〔出力12万2,000キロワット(kW)〕、去る5月11日には「住田遠野ウィンドファーム」(出力11万3,000kW)の商業運転を開始している。また、2007年から洋上風力発電に取り組んでおり、現在、北海道石狩湾新港で洋上風力電所(出力11万2,000kW)を建設している。

今回の買収を通じて、JERAとNTTアノードエナジー、GPIは、それぞれが有する再生可能エネルギー事業のノウハウや知見、強みを効果的に活用するとしている。陸上風力ではNTTアノードエナジー、洋上風力ではJERAが持つ経営資源を最大限に活用し、3社が協力して事業価値の最大化に取り組むことで、GPIのさらなる企業価値の向上を実現する方針だ。

JERAは米国でエネルギーの安定供給や脱炭素化に向けた取り組みを進めており、1月に米国CFインダストリーズとブルーアンモニア製造・燃料アンモニア調達で提携(2023年1月19日記事参照)、3月に米国シェブロンと米国やオーストラリアでの二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)事業で提携(2023年3月8日記事参照)、4月には米国ベンチャー・グローバルと液化天然ガス(LNG)売買契約締結(2023年5月1日記事参照)を発表した。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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