スーダン企業のビジネスに影響、戦闘激化により農産品輸出に打撃

(スーダン)

カイロ発

2023年05月11日

スーダンで4月15日から続く国軍(SAF)と準軍事組織の迅速支援部隊(RSF)との戦闘(2023年4月17日記事参照)が激化する中、首都ハルツームの治安は急速に悪化し、市民の退避が続く中、ビジネスへの影響も拡大している。

スーダンはアラビアガムやゴマの主要な輸出国だ。日本は2022年にアラビアガムを11億6,286万円、ゴマを7億4,622万円を輸入している(添付資料表参照)。最近の情勢はビジネスにどのような影響を与えているのだろうか。アラビアガムやゴマを輸出するプロシードワールドグループ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの最高経営責任者(CEO)タリク・ハリル氏に聞いた〔5月8日、退避先のアラブ首長国連邦(UAE)から回答〕。

(問)両組織の戦闘拡大による輸出入手続きへの影響は。

(答)スーダン政府は輸出入を維持するため、今日まで継続的な努力を行っている。貿易省など関連省庁は主要港のポートスーダンに移動したり、代表者を派遣したりして、業務に当たっている。スーダン港湾公社、税関、スーダン規格・度量衡統一機関(SSMO)、植物検疫所の業務が継続していることも確認している。

主要海運会社の中には、業務を維持する企業がある一方で、スーダンでの業務を停止した企業もあり、当社の船積み予約もキャンセルされた。原産地証明書の発行も課題の1つで、商工会議所は、関係部署をポートスーダンに移そうとしているが、収入印紙や証明書申請用紙はハルツームの本部に残っており、発行ができなくなっているようだ。

当社には、輸送中の貨物もあるが、航空便が止まっているため、DHLなどクーリエのサービスが停止しており、貿易書類のやり取りが最大の課題となっている。ポートスーダン国際空港が再開することで、この問題が解決することを期待している。

(問)送金はできているのか。

(答)ポートスーダンの銀行支店は開いているものの、輸出入者の口座の多くはハルツームにあり、各銀行のハルツーム支店では、全ての口座が一時的に凍結されている。ただ、当社は契約や入金をUAEの子会社で行っているため、問題はない。

写真 アラビアガム(ジェトロ撮影)

アラビアガム(ジェトロ撮影)

(福山豊和)

(スーダン)

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