EU、2022年ハイテク製品輸入、中国と米国で過半

EU統計局（ユーロスタット）は5月10日、2022年のEU域外とのハイテク製品（注）の貿易統計を発表した（プレスリリース）。輸入は前年比22％増の4,820億ユーロ、輸出は同16％増の4,460億ユーロと、ともに拡大した。

2022年の域外からのハイテク製品の輸入は、中国からが最も多く、全体の38％（1,830億ユーロ）を占めた。次いで米国が19％（910億ユーロ）となり、上位2カ国で過半を占めた。その他、スイス（6％、300億ユーロ）、台湾（5％、230億ユーロ）、英国（4％、200億ユーロ）、ベトナム（4％、180億ユーロ）が続いた。

EUに輸入されたハイテク製品のうち、最大品目は電子情報通信機器（2,020億ユーロ）だった。ハイテク製品の輸入上位6カ国・地域のうち、中国（同国からのハイテク製品のうち55％、1,010億ユーロ）、台湾（同69％、160億ユーロ）、ベトナム（同74％、130億ユーロ）の3カ国・地域で最大品目となった。

スイスから輸入されたハイテク製品では、医薬品が68％（200億ユーロ）を占めて最大品目となった。米国と英国の最大品目は航空宇宙機器で、それぞれ同35％（320億ユーロ）、28％（60億ユーロ）だった。

EU域外へのハイテク製品の最大輸出相手は、米国が全体の26％（1,180億ユーロ）で最も多く、中国12％（530億ユーロ）、英国 9％（420億ユーロ)、スイス6％（280億ユーロ)、日本4％（190億ユーロ)、トルコ3％（120億ユーロ)と続いた。

EUのハイテク製品の最大輸出品目は、医薬品で1,450億ユーロとなり、上位6カ国のうち日本(同国向けハイテク製品のうち56％、110億ユーロ)、スイス(同50％、140億ユーロ)、米国(同49％、570億ユーロ)の3カ国で最大品目となった。

中国と英国向けの最大品目は電子情報通信機器で、ハイテク製品の輸出に占める割合はそれぞれ38％（200億ユーロ）、24％（100億ユーロ）だった。トルコ向けは、航空宇宙（同38％、50億ユーロ）だった。

（注）航空宇宙機器、コンピュータ・事務機器、電子情報通信機器、医薬品、医療機器、電気機械、化学品、一般機械、武器。

（大中登紀子）